━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.561 2021/07/27 もはや完全に時代遅れ 五輪が「オワコン」となったこれだけの理由 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021072709000082920 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-83137.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 始まってみれば、連日のメダルに熱狂することになった東京五輪だが、すでに「平和の祭典」としても「商業五輪」としても、時代遅れになったのは明白だ。 はたして、次の2024年のパリ、2028年のロサンゼルス、2032年のブリスベンでのオリンピックはどうなるのだろうか? コロナ禍の下で強行開催された東京五輪を踏まえて、五輪はいま大きな転換点を迎えている。 五輪を契機に経済が活性化する、株価が上がるなどという神話は終わり、投資家も市民も、五輪に対する見方を大きく変えなければならなくなった。 [目次] ────────────────────────────── ■中学2年生がスケボーで金メダルの快挙 ■理由(1)人気維持のために新競技を追加 ■理由(2)コンパクトは口先だけで不可能 ■理由(3)大きなパーティを開きたいという欲求 ■理由(4)もはや経済効果も望めない ■理由(5)スポンサーになっても儲からない ■理由(6)五輪で問われる「環境」と「SDGs」 ■理由(7)開催時期と時差が最大のハードル ■理由(8)「国威発揚」を期待するのは時代遅れ ■理由(9)招致に立候補する都市がない ■理由(10)五輪スポーツは遺伝子の戦いに変質 ■理由(11)五輪に代わるビッグイベントが目白押し ■五輪ばかりか「万博」も完全なオワコン ────────────────────────────────── ■中学2年生がスケボーで金メダルの快挙 7月26日、中学2年生の西矢椛(もみじ)が、スケードボードのストリートで金メダルを獲得した。13歳でのメダル獲得は日本人初の快挙。彼女のあどけない笑顔に、私は思わず涙してしまった。 こうした若者がこれからの日本を変えていく。彼らは希望の星だと思うと、自然に涙が出てくるのだ。 スケードボードでは、前日も男子のストリートで、22歳の堀米雄斗が金メダルを獲ったが、このときも、私は年がいもなくウルウルしてしまった。 今回の五輪は、開催に至るまでに、日本の悪い部分、後進国ぶりがモロに出て、本当に絶望的な気分のなかで始まった。いまもなお、私は開催するべきではなかったと思っているが、それと感情とは別だ。やはり、日本人が、それも若い選手がメダルを獲れば感動し、気持ちが高揚する。 しかも、その種目が、スケードボードとなるとなおさらだ。スケードボードやサーフィン、スポーツクライミングなどは「ストリートスポーツ」(あるいは「シティスポーツ」「アーバンスポーツ」)と呼ばれる、まさにいまの時代のスポーツだからだ。… … …(記事全文10,094文字)