━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.559 2021/07/13 五輪強行開催後の日本経済: 不況は深刻化し、株価も不動産も下落する悪夢 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021071309000082413 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-82633.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とうとう強行開催することになった東京五輪。二転三転して無観客となり、もはや歴史に残る悲惨かつ大失敗の五輪になるのは確実になった。 となれば、五輪後の日本はいったいどうなるのか?コロナ禍ですでにボロボロになった経済はどうなるのか? 大いに気になるところだが、なぜか、最近は誰も口にしなくなった。メディアも報道を控えている。 しかし、現実を直視すれば、不況は深刻化し、株価も不動産も下落するという悪夢が訪れるのは確実ではないだろうか。 [目次] ────────────────────────────── ■東京都は「協議を」政府は「都がやるべき」 ■大枚を投じたスポンサー企業の悲鳴と怒り ■結局のところ損出はどのくらいなのか? ■そもそも五輪の経済効果とはなにか? ■観光客は増えてもビジネス客は減った ■経済効果には「負の波及効果」もある ■五輪後の「反動不況」はあるのか? ■当初予算7340億円が3兆円超え ■「サンクコスト」の回収にこだわって墓穴 ■想定外だったデルタ株によるリバウンド ■アメリカも中国も消費回復に陰りが ■失敗五輪のツケが私たちに回ってくる ────────────────────────────────── ■東京都は「協議を」政府は「都がやるべき」 4度目の緊急事態宣言の発出、無観客開催が決まると、さっそく関係者間の責任の押し付け合いが始まった。目先の問題は、無観客で失われるチケット収入約900億円の赤字補填をどうするかだ。 契約上は、その責任は主催者である東京都にある。しかし、小池百合子都知事は無観客が決まる前から「想定外の事象が生じた場合はIOC、政府、組織委を含めて協議が必要になる」と逃げを打ってきた。 これに対し、丸川珠代五輪相は「東京都の財政規模を踏まえれば、都が組織委の資金不足を補填できない事態は想定しがたい」と述べ、国は財政支援をしない姿勢を強調してきた。 この両者の責任のお押し付け合いは、本当にひどいものだ。仲が悪いだけではすまない。おそらく、当分の間、決着しないだろう。 さらにひどいのは、西村康稔経済再生担当相が、7月9日夜のBSフジの番組で、五輪経済効果について聞かれ、「まったく期待していない」と言ってしまったことだ。どう考えても、こう言うほかないが、これを言ってしまうと、なんのために五輪をやったのか、意味がなくなってしまう。確かに、誰が考えても東京五輪は歴史に残る大赤字を記録し、経済的な大失敗になるのは確実だ。 しかし、開催前にそれを認めてしまっていいのだろうか?… … …(記事全文8,271文字)