━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.555 2021/06/22 バブル崩壊への「終わりの始まり」か? 株価大幅下落の先にあるもの ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021062209000081603 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-81843.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 週明けの東京市場で、日経平均は1000円に迫る大幅な下落を記録。投資家からは「この先どうなるのか」という不安な声が聞こえてくるようになった。もちろん、日本株の下落は、先週のNY株の下落を受けてものだが、市場を取り巻く状況は確実に悪くなっているようだ。 コロナ禍が収束すれば、景気は回復するというのは、あまりに単純な見方。本当は、コロナ禍で行われた異常な金融緩和が手仕舞いされるので、インフレとともに金利上昇が起こり、バブル相場は終焉する。 今回の株価の下落は、「終わりの始まり」の可能性が強い。 [目次] ────────────────────────────── ■NY市場で主要3指数のすべてが下落 ■緩和縮小が想定よりも早まるという観測 ■AIも現在がバブルだとわかっている? ■バブルに踊ったロビンフッダーとビットコイン ■静かに始まったインフレと金利上昇 ■富裕層も中間層もリスクオンからオフに ■いま私たちは一種の幸福感のなかにいる ■コロナ収束後の金融経済と実体経済の調整 ■バブル崩壊を救う「グリーンバブル」 ────────────────────────────────── ■NY市場で主要3指数のすべてが下落 週明け6月21日の日経平均の大幅な下落は、まさに予想通り。誰もが下がるだろうと思っているなかで起きた。問題は下げ幅で、終値で953円。一時1000円を超えていたなかで、なんとか抵抗ラインとされる2万8000円台を維持した。 しかし、まだまだ下がる。この先、どこかで2万8000円台を割り込んでいくだろう、というのが私の見方だ。 私は株をやっていない。だから、「勝手なことが言える。のん気なもんだ」と非難する向きもあるが、コロナ禍の渦中にあるいまの経済情勢を見えれば、上がるほうがおかしい。 今後、NYダウは4万ドルまでいく。日経平均は3万5000円になるという強気派はまだまだ多い。実際、NYダウは週明けは上昇で始まり、500ドルは戻した。はたして、日経平均がこれに続くかどうか。最近は、日銀が出動しないので、回復はありえないとみる。 日本の株価は、経済情勢、まして企業実績など反映していない。日銀やGPIFと内外の機関投資家がつくりあげたバブルだ。これは、今回の下落の約200円分が、ソフトバンクとユニクロの下落分であることで明らかだろう。NY市場のように、コロナ禍のなかでも成長しているGAFAのような銘柄がない。 もはや書くまでもないが、いちおう一般的な見方を書いておくと、今回の週明けの日経平均の下落は、先週のNY株価の下落を受けてのものだ。先週のNY株式市場は、主3指数(NYダウ平均、ナスダック総合指数、S&P500)がそろって下落し、とくにNYダウは5日連続で下げ、下げ幅は1000ドルを超えた。 この下落原因は、FRBの利上げ前倒し懸念によるものと説明されている。… … …(記事全文6,516文字)