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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

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山田順の「週刊:未来地図」No.552:賃上げして中小企業を淘汰すれば経済回復!? 無知の極みの管政権

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.552 2021/06/01 賃上げして中小企業を淘汰すれば経済回復!? 無知の極みの菅政権      ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021060109000080771 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-81029.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ オリンピック強行開催(=本土決戦)も愚行だが、菅政権が進めている経済政策も愚かすぎる。コロナ禍のなかで、政府は最低賃金を引き上げ、中小企業を淘汰してしまおうと考えている。  しかし、そんなことをすれば失業者が増え、格差はさらに拡大する。その結果、経済回復など望むべくもなくなり、私たちの暮らしはさらに落ち込むだろう。  このまま行けば、コロナ禍後に一時的な消費拡大による享楽的な時期が訪れるが、その後、日本経済はどん底に沈むのではないだろうか。 [目次] ────────────────────────────── ■首相と諮問会議が描く「バラ色の物語」 ■全政党、連合がこぞって「引き上げ」支持 ■最低賃金を引き上げると失業者が増える ■毎年5%ずつ引き上げていくとどうなるか? ■ヨーロッパ諸国には最低賃金法がない ■非熟練労働者は労働組合のライバル ■アメリカでも最低賃金の引き上げが ■生産性が低いのは中小企業が多いから ■多くの中小企業は自然に淘汰されていく ■コロナ収束後の享楽消費の後は大不況 ────────────────────────────────── ■首相と諮問会議が描く「バラ色の物語」  さる5月25日、経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)は、6月中に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の骨子案を提示した。それによると、日本は「賃上げを通じた経済の底上げ」をして、コロナ収束後の経済回復を目指すという。「地方創生」「グリーン社会の実現」「デジタル化の加速」などの言葉が並んでいるが、そのために最低賃金を引き上げ、多すぎる中小企業を淘汰するというのだ。  これは、聞き捨てならないことである。なぜなら、そんなことをしたら、経済は回復するどころか、大きく落ち込んでしまうに違いないからだ。  最低賃金の引き上げは、じつは、菅首相の肝いりの政策である。安倍前政権は、企業に賃上げを強いてきたが、それを強力に推進してきたのが菅首相だ。最低賃金の引き上げは、その延長線上にある。  たとえば、2019年の経済財政諮問会議で、民間議員の新浪剛史サントリーホールディングス社長が5%程度の引き上げを主張した際、当時官房長官だった菅首相は、「私が言いたいことは全部言ってくれた」と全面支持を表明した。また、首相就任後の所信表明演説でも、最低賃金の引き上げに触れている。  そして、昨年秋、菅首相は経済財政諮問会議のメンバーに、「中小企業淘汰論」を主張する元ゴールドマン・サックスのアナリスト、デービッド・アトキンソン氏を招いたのである。  つまり、菅首相は、日本の生産性の低さの原因とされる中小企業を減らしたい。そして、最低賃金をはじめとして、国際的に低い日本人の賃金を上げる。そうすれば、経済はよくなり、国民生活は豊かになると考えているのだ。  本当に、なんという愚かな首相だろうか。
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