━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.547 2021/04/27 「安価地獄」に陥った日本(上) ここまで物価が安いという現実を直視せよ! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021042709000079422 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-79691.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コロナ禍で、さまざまな面で浮き彫りになったのが、日本の後進国ぶり。しかし、まだ多くの日本人が自覚していないのが、日本の物価の安さだろう。いったいなぜ、日本はモノとサービスがここまで安くなってしまったのか? 1人当たりのGDPが上がらない、給料が上がらないなか、物価が安いことはいいことである。しかし、ここまで世界と差がついてしまうと、イヤな気分になる。今回と次回(来週配信)の2回に分けて、日本が陥った「安価地獄」を検証する。 [目次] ────────────────────────────── ■訪日外国人が驚く日本の物価の安さ ■ダイソーが「100円」なのは日本だけ ■「くら寿司」はアメリカでは1皿330円 ■ディズニーランド入場料も世界一安い ■ビッグマック指数では世界25位 ■スターバックス指数では世界36位 ■高級品価格では日本を超えた中国 ■物価より深刻な1人当たりのGDPの安さ ■4人に1人しかパスポートを持っていない ────────────────────────────────── ■訪日外国人が驚く日本の物価の安さ どれくらい前からだろう。日本の物価が安い(つまり海外が高い)と気づき、海外でほとんど買い物をしなくなったのは。かつて、日本人は海外旅行というと、必ず買い物をしていた。酒とタバコをお土産に買い、さらに高級ブランド品を買った。私のような旧世代はとくにそれが習慣になっていた。 しかし、いまやそんなことをする人はほとんどいなくなった。日用品から高級ブランド品まで、日本のほうが安い からだ。 コロナ禍の前まで、日本では「インバウンド消費」といって、押しかける訪日外国人観光客の旺盛な消費(爆買い)に湧いていた。コロナ禍に見舞われる前、2019年の外国人観光客の消費総額は約5兆円で、GDPの1%を占めるまでになっていた。 これをテレビなどのメディアは、「日本製品のクオリティが高いから」「日本のおもてなしが世界的な人気を得た」「クールジャパンの表れ」などと言ってきたが、本当の理由は、日本のモノとサービスが外国人にとって単に割安だったからだ。 中国人を中心とする外国人観光客が大挙して、デパート、家電量販店、化粧品店、スーパー、衣料品店、レストランなどに押しかけるのは「とにかく安い」からだ。つまり、いまや日本と海外は逆転してしまい、30年前の私たちの姿を、日本にやって来る外国人観光客に見るようになってしまった。 アメリカから初めて日本に来た人間は、まず、日本の食の安さに驚く。高級店からファミレスまで、どこに連れて行っても、その値段の安さに驚く。 あまりおカネがない学生は、ファミレスの「ガスト」が気に入って「こんなに安くていろいろなものが食べられるところはない」と、どこに行っても「ガスト」に行く始末だ。 アメリカ人ばかりではない、中国人も日本の高級中華店が「こんなに安くていいのか」と真顔で驚く。北京ダックは北京よりはるかに安い。… … …(記事全文8,261文字)