━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.546 2021/04/20 株価は永遠に上がり続けるのか? いま蘇る「大恐慌」の教訓 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021042009000079134 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-79414.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NYダウは3万ドルを超えてからも上がり続け、先週末の16日には、またも史上最高値3万4200ドル67セントを付けた。日経平均もこの2月に30年半ぶりに3万円の大台に乗ると、その後、多少の上下があっても下げる気配がない。 この状況に、市場は総強気となり、「バブル崩壊」を警戒する声はほぼ聞こえなくなった。 なにしろ、アメリカではワクチン接種が進み、バイデン 大統領が約束した7月4日(独立記念日)までには全成人への接種が終わる見通しになった。そうなれば、経済は回復し、好景気がやってくる。日本はワクチン接種が遅れてはいるが、秋には正常化に向かうと予測されている。 しかし、このような総楽観ムードのなか、あの「大恐慌」(Great Depression)は起こったのである。 [目次] ────────────────────────────── ■史上最高値を更新し続けるNY株価 ■「GAMFA」時価総額は日本のGDPを超えた ■「大恐慌」とは、いったいなんだったのか? ■フーバー大統領に関する「通説」は間違い ■『学校で教えない大恐慌・ニューディール』は必読 ■直接の原因は「関税引き上げ法案」に! ■借金してまで株を買う「投資ブーム」 ■「ブラックサーズデー」までの経緯 ■株価低迷を決定づけた関税法案の成立 ■積極財政で政府歳出を42%も増やした ■賃下げの抑制政策が失業者を増やした ■いま再び繰り返される「ニューディール」 ────────────────────────────────── ■史上最高値を更新し続けるNY株価 アメリカ資本主義にとって、株価は「要」(かなめ)であり、経済を動かす最大の「装置」と言っていい。株価が上昇することで、資産が増え、消費が活発になり、雇用も拡大する。つまり、株価上昇→消費増→雇用拡大という循環で経済が回っていくのが、アメリカの資本主義である。 そのため、FRB(連邦準備理事会)は株式市場を常に注視し、金融政策によってコントロールしようとしてきた。 1929年のアメリカ発の「世界大恐慌」は、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の株価の突然の暴落から始まった。FRBはこの教訓から、いまも株式市場の動向に細心の注意を払っている。 (注:日本の日銀は株価や雇用に関しての責任を負わないので、FRBとは大きく違っている。もっとも日本の資本主義自体がアメリカとは大きく違っている)… … …(記事全文8,735文字)