━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.542 2021/03/23 日本政府は半導体パニックを軽視 台湾歓迎で自動車産業まで衰退の危機に! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021032309000078053 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-78342.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ものづくり国家・日本」の“最後の砦”となっているのが、自動車産業です。ところが、コロナ禍などの想定外の事態と相次ぐアクシデントで、トヨタなどの自動車メーカーは半導体(セミコンダクター)を調達できず、減産に追い込まれることになってしまいました。 日本政府の愚策により、これまで半導体産業は凋落を続けてきました。管政権もまた日の丸半導体を軽視して、台湾企業の日本進出を歓迎しています。このままでは、日本のものづくりは本当に終わりかねません。 [目次] ────────────────────────────── ■ルネサスの工場火災による深刻なダメージ ■テキサス州を襲った寒波で供給不足が加速 ■火災続きで国内はダメ、海外も受け入れ余地なし ■クルマはいまや「走るコンピュータ」 ■供給不足パニックは、この先1年は続く ■米中ともに半導体産業を政府が援助 ■ファウンドリもファブレスも育たず ■「垂直統合」から「水平分業」に乗り遅れ ■特化した半導体メーカーしか生き残っていない ■世界の半導体生産のキングメーカーは台湾 ■親日・台湾だからと歓迎していいのか? ■「日台連携」「中国進出」が技術流出を招いた ■パニックのなかでテスラだけが40%増産 ■なぜこうも「愚策」を連発できるのか? ────────────────────────────────── ■ルネサンスの工場火災による深刻なダメージ 3月19日、ルネサス・エレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生、鎮火まで5時間を要し、直径300ミリメートルの半導体ウエハーの生産ラインがほぼ焼失してしまった。 那珂工場は、主に自動車の走行を制御する「マイコン」(マイクロコントローラー:Microcontroller Unit=MCU) と呼ばれる半導体ユニット(車載半導体)を生産しており、これをトヨタ、日産、ホンダなどの日本の自動車メーカーに供給している。 火災から3日後、ルネサンスは柴田英利社長がオンラインで会見し、「1カ月以内での生産再開にたどりつけるよう尽力する」と述べた。しかし、これはあくまで努力目標で、実際のところ、復旧には3カ月、悪くすると半年はかかるだろうと言われている。 そのため、日本の自動車メーカーは、いま、パニックに陥っている。とくにトヨタのダメージは大きい。ほとんとどすべての下請けが、那珂工場からMCUを調達していたからだ。… … …(記事全文9,511文字)