━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.541 2021/03/16 世論調査は操作されているのか? 菅内閣の支持率が前月比で上昇した謎を解く ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021031609000077785 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-78080.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もはや菅義偉内閣が史上最悪の内閣であるということは、国民周知のことであると思います。コロナ対策で失政に次ぐ失政を繰り返し、長男を含めた「違法接待」の発覚で、菅首相は国民の信頼を完全に失ってしまったからです。 ところが、最近のメディアによる世論調査では「内閣支持率」が前月比で上昇しているのです。しかも、読売新聞の調査では48%もあり、過半数に迫っています。なぜ、こんなことが起こるのでしょうか? そもそも世論調査は正確なのでしょうか? 今回は、この点について考察します。 [目次] ────────────────────────────── ■まさかの支持率上昇。しかも48%も! ■内閣支持率の推移と支持率上昇の中身 ■フジテレビと産経のでっち上げ調査 ■結局すべて「丸投げ」でチェックなし ■電話調査の選択式の質問に問題がある ■コンピュータが電話番号をつくり出す ■「答えたい人」だけが調査に応じる ■聞き返すことで8~10ポイント上昇 ■面接調査以外では本当の世論はわからない ■本当の支持率は20%以下なのに菅の退陣ナシ ────────────────────────────────── ■まさかの支持率上昇。しかも48%も! まず、最近の世論調査による「内閣支持率」を見ていきたい。最新の調査は3月12日に発表された時事通信の調査(実施5~8日)で、それによると、菅内閣の支持率は前月比0.2ポイント増の35%で、不支持率は1.8ポイント減の41%。不支持が支持を上回るのは3カ月連続となっている。 次は3月8日に発表されたNHKの世論調査で、それによると、菅内閣の支持率は、前月比2ポイント増の40%で、不支持率は7ポイント減の37%。こちらは、3カ月ぶりに支持が不支持を上回った。 続いては、NHKと同じ3月8日に発表された読売新聞の世論調査で、それによると、菅内閣の支持率は前月比9ポイント増の48%で、不支持は2ポイント減の42%。なんと、支持が不支持を上回って50%近くに達したのである。 以上、3つの調査とも前月比で支持率が上昇しているのに、私は本当に驚いた。目を疑った。なぜなら、史上最悪と言われた森喜朗内閣より、菅内閣のほうがよほどひどいと思ってきたからだ。当時、森内閣の支持率が9%と、10%を割ったことを思い出す。 私がいつも読んでいる「ヤフコメ」などでも、「信じられない」という声が続出した。あのトランプは、熱狂的岩盤支持層に支えられてきたが、それでも支持率は40%前後だった。 なぜ、菅内閣は、腐ってもここまで高い支持率を維持できているのか? 読売記事は、調査結果を踏まえて、「前回調査の時点と比べ、新型コロナの新規感染者数が減少し、感染状況が落ち着いていることを反映したとみられる」と結んでいた。本当だろうか?… … …(記事全文6,802文字)