━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.540 2021/03/09 知らないうちに定年消滅 「70歳就業法」施行で「死ぬまで働く時代」に! ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021030909000077524 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-77818.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これまで政府が提唱してきた「働き方改革」「人生100年時代」のイメージが、いよいよはっきりしてきました。それは、定年がなくなり、死ぬまで働くということを意味します。 コロナ禍のなかで「ニューノーマル」(新常態)が定着してきましたが、もうひとつのニューノーマルが、この4月1日から始まります。コロナ報道の陰に隠れて、ほとんど報道されていませんが、これは日本人の人生に大きな変化をもたらします。 今回施行される「70歳就業法」と呼ばれる法律により、事実上定年は消滅し、引退後のハッピーライフなど“夢物語”になっていくからです。 [目次] ─────────────────────────── ■企業は社員が70歳まで働けるように努力する ■高齢者の雇用促進、これまでの改正の経緯 ■改正後の再雇用では会社員でなくなる ■高齢者が働きたいが働く場所がないは本当か? ■使い勝手がよく安く働かすことが可能に ■年金支給開始75歳は65歳に比べて得? ■「人生100年」など健康寿命からありえない ■「働く70歳」「働く80歳」が増えて格差拡大 ─────────────────────────────── ■企業は社員が70歳まで働けるように努力する 「定年退職」「ハッピーリタイアメント」----そう言えば、昔はそんなこともあったという、そんな時代が、いま、始まろうとしている。 コロナ禍のなかでほとんど報道がないが、4月1日から施行される「70歳就業法」(正式には「高年齢者雇用安定法」の改正)は、日本人の生き方を大きく変えてしまうのは間違いない。なぜなら、これによって、定年退職がほぼ消滅してしまうからだ。 定年がなくなれば、つまるところ、国が言う「人生100年」の間、私たちは一生働き続けることになる。 「70歳就業法」は、ひと言で言うと、希望する社員が70歳まで働けるように企業に努力する義務を課す、というもの。施行後、企業(大企業も中小企業も関係ない)は、定年制を廃止するか、定年を繰り上げるか、定年後に契約社員などで再雇用し、継続雇用を続けるかなどの対応を取る必要に迫られる。 罰則規定のない“努力義務”とされてはいるが、将来的に義務化されるのは間違いない。 そこで、以下、ポイントを整理し、これからの日本人の働き方、人生を考えたみたい。 まず、もっとも留意すべきことは、この法律が「70歳まで会社員でいられること」を保証するものではないということだ。むしろ、多くの中高年は、今後、人生設計、働き方の大転換を求められることになる。 ■高齢者の雇用促進、これまでの改正の経緯… … …(記事全文5,620文字)