━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.538 2021/02/23 コロナ禍で改めて思う「この国のかたち」 すべてに勝る天皇の「お言葉」 ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021022309000076968 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-77267.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ついこの前、新型コロナの感染が拡大していたとき、識者もメディアも「緊急事態宣言」の発令を大声で叫んでいました。それは、「自粛要請」だけでは効き目がなくなったからです。そして最終的に、要請を守らない人間にペナルティを与えることが可能な「コロナ特措法」の成立となりました。 つまり、ここにおいて日本は、欧米諸国と同じような法にのっとってロックダウンなどの私権制限の強制措置ができる国になったのです。 しかし、この一連の経過を見てきて、私には思うことがありました。それは、この国のかたちとはなにかということです。もし、天皇がひと言「みなさん家にいてください」と「お言葉」を下せば、誰もが一歩も外出しなかったと思うからです。 [目次] ────────────────────── ■日本人の国民性が感染拡大を防いだ? ■マスクに対する考え方、文化の違い ■同じステイホームでも国より方法が違う ■政治家が率先して破った「自粛要請」 ■「コロナ特措法」で自己責任の世界に ■年を取るとともに天皇・皇后の姿に涙が ■なぜ東京を脱出し、その後すぐ戻ったのか? ■アメリカの「分断」はどうすれば防げるか? ■日本、イタリア、ドイツの終戦の違い ■天皇の存在が分裂を防ぎ戦後復興を可能に ■天皇は行動と言葉により国民の心を動かす ────────────────────────── ■日本人の国民性が感染拡大を防いだ? 昨年、新型コロナの感染が世界的に拡大していたとき、なぜか、日本は欧米諸国に比べて感染者数が極端に少なかった。欧米諸国のように「ロックダウン」をするわけでもなく、「緊急事態宣言」を発令しても、その実態は「自粛要請」にすぎなかったから、世界は首を傾げた。 そこで、言われたのが、日本人の国民性だ。真面目で、規則を守る。そして、思いやりに富んでいる。災害時を見ればわかるように、日本人は互いに助け合って秩序正しく行動する。 このような国民性が、「マスク着用」「手を洗う」「ソーシャルディスタンスを守る」「三密にならない」という行動を徹底させ、コロナの感染拡大を防いだというのだ。 これは、確かにそうだと頷けてしまうので、私もある程度は信じた。ただ、麻生副総理のように「民度が高いから」などと、平気で自慢する神経は持ち合わせていなかった。なぜなら、民度という言葉が、真面目で規則正しい国民性と馴染まないと思ったからだ。 それからもう一つ、こうした国民性の裏返しとして、「自粛警察」というような負の側面も生み出してしまったからである。 ■マスクに対する考え方、文化の違い… … …(記事全文7,917文字)