━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.535 2021/02/02 コロナ禍ではっきりした後進国日本。 日本をダメにした「官邸官僚」政治の戦犯たち ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2021020209000076199 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-76513.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ようやく「緊急事態宣言」の延長が決まりましたが、これまで延々と延長するのかしないのかの議論がされてきたことに、唖然とします。もはや、世界でこんな議論をしている国はありません。また、こんなに規制がゆるい緊急事態宣言も、世界どこにもありません。 1月31日、オーストラリアのパースでは、たった1人の陽性者が出ただけで即座に3日間のロックダウンに入りました。ワクチンにしても、G7で接種が始まっていないのは日本だけ。やっているのは接種のリハーサルだけで、いつワクチンが届くのかも定かではありません。 いったいなぜ、こんな国になってしまったのでしょうか? 今回はその理由を「官邸官僚」が支配する菅政権のダメぶりに求めて、詳述します。 [目次] ──────────────────────────── ■コロナ対策、世界で第45位の体たらく ■コロナ禍でわかった後進国ニッポン ■政策はみな誰かの「思いつき」に便乗 ■世紀の愚策「携帯料金引き下げ」の弊害 ■安倍前政権から始まった「官邸官僚」政治 ■菅内閣では側近官僚と警察官僚が仕切る ■PCR検査の拡大を阻止した厚労省医系技官 ■トップの医務技監がPCR検査懐疑派 ■アビガンと全自動PCR検査器の認可 ■コロナ禍が過ぎ去った後は焼け野原か? ──────────────────────────────── ■コロナ対策、世界で第45位の体たらく コロナ禍が起こるまで、メディアでは「日本すごい」論が幅を利かせていた。ところが、いまや、誰一人そんなことは言わなくなった。コロナ禍によって、次々に日本がまったく「すごくない」ことがわかってしまったからだ。 もはや、日本は「先進国」とは言えない状況だ。いま多くの日本人が、コロナ禍に耐えながら、やりきれない思いで暮らしている。 年々、国際地位を低下さている日本だが、コロナ対応だけに限っても、日本のランキングは世界45位と本当に低い。このランキングは、先日、オーストラリアの有力シンクタンク「ローウィー研究所」が公表したもので、世界98カ国と地域が、新型コロナにどの程度うまく対応できたかを0~100で指数化したもの。 トップはニュージーランドで、2位以下はベトナム、台湾、タイと続き、日本ははるか下の45位である。もっとも、感染者数と死者数が世界最多のアメリカは94位で、英国が66位だから、そこまで悲観することはないと言えるが、アジアでは台湾やベトナムの足元にも及ばないのだから、情けなさすぎる。 ちなみに、最下位はブラジルで、中国は公開データが少ないため調査対象から外れている。 この調査では、ランキングよりも注目されることがある。それは調査に対するレビューで、ローウィー研究所は、「強権国家」よりも「民主国家」のほうが総じて点数が高いとし、「私権制限しやすい独裁国家のほうがコロナ対策をしやすい」という見方を否定していることだ。 また、コロナ対策のポイントは、「指導者への市民の信頼、指導者による適切な国家運営が重要」と指摘している。… … …(記事全文7,689文字)