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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

見えてきた「アメリカ一人勝ち」という2014年の世界経済

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」    No.072 2013/01/14  見えてきた「アメリカ一人勝ち」という2014年の世界経済     ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2014011409000019136     EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-19796.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  年明けから2週間、株価、為替、長期金利などに大きな変動はなく、今後、日本の景気は上向いていくようなムードになっています。また、年初からの「経済予測」も出そろいましたが、同じような中身です。はたして今年の日本は、このような「予測」の年になるのか? それ以上に、今年の世界経済はどうなっていくのか?  今回は、これを検証してみます。 [目次]────────────────────────────────── ■日本では悲観論は「縁起でもない」と敬遠される ■財界人(企業経営者)の見方は総じて悲観的 ■為替は1ドル100円~115円、株価は1万4000円~1万円8000円 ■消費税増税による落ち込みは一時的ですむのか? ■一般国民の景況感は去年より悪化している ■「アメリカは先進国最強」というソロス氏年頭予測 ■世界のマネー(ドル)はアメリカに戻っている ■「アメリカ一人勝ち」で株価は下落し円安が進む ────────────────────────────────────── ■日本では悲観論は「縁起でもない」と敬遠される    年末から年始にかけては、恒例の「経済予測」の季節である。2014年はどうなるのか? あらゆるメディア、エコノミスト、アナリスト、評論家たちが、この「予想レース」に参加する。しかし、この予想は大方当たらない。とくに、リーマン・ショックのような大変動があった年はほぼ当たらない。  というのは、ほとんどの予想が、なんの冒険もせずに無難にまとめられているからだ。  また、日本では、「失速する」「暴落する」などという悲観的な予想は、縁起でもないと嫌われる。「株価2万円突破も夢ではない」というような楽観論が歓迎される。したがって予想は、私が記憶する限り、ここ20年あまりはほとんど当たった試しがない。例外は、前年と同じように経済も株価も低迷し、なにも大きな変化なかった年だけだ。  さらに、日本のメディアや評論家などの世界経済予想はもっと当たらない。それは、現地に行かないで、単なるメディア情報を元にしているからだ。日本の評論家、専門家で、本当の意味で世界経済に接している人はどれほどいるだろうか?  私も恥ずかしい話だが、そんな一人だ。ただ、ほかの方々よりは現地を歩き、経済人を取材し、実体経済に触れているとは思う。とはいえ、それだけだ。  さて、ではこうしたことを踏まえて、今年の経済はどうなるのか?出そろった予想を元に考えてみよう。 ■財界人(企業経営者)の見方は総じて悲観的  安倍総理は年頭の記者会見で「この春こそ景気回復の実感を収入アップというかたちで国民に届けたい」と述べた。しかし、どう考えてもこれが実現するとは思えない。この春といえば、消費税増税が日本の企業、家庭を直撃するからだ。  そんななか、先週の5日、恒例の経済三団体の新年祝賀パーティが開かれた。日本経団連、経済同友会、日本商工会議所による合同新年祝賀パーティには、財界の大物たちが集まるので、メディアは彼らにインタビューをし、経済予測のコメントを引き出す。  では、財界人(企業経営者)たちはどのような所感を述べたのだろうか?  取材したメディア関係者によると、企業経営者たちからは景気の二番底への落ち込みや、本格回復の遅れへの懸念が相次いだという。安倍政権に対しても、年末に策定した成長戦略の早急な具体化などの注文が目立っていたという。  しかし、新聞やテレビは、こうしたネガティブなコメントをなるべく切って報道した。  もっとも悲観的だったのは、オリックスの宮内義彦会長で、ずばり「欧米に比べて日本はもっとも停滞するのでは」と語ったという。また、伊藤忠商事の小林栄三社長も「先進諸国の経済はまだ集中治療室から出たばかり。ともすれば二番底に陥る懸念もある」と言い、NECの矢野薫社長は「昨年よりは景気はよくなるが、急にはよくならないだろう」とのことだったという。  こうした悲観的な予測のなか、財界人たちが口をそろえて不満を表明したのが、やはり安倍政権の第三の矢、成長戦略の中身のなさだった。つまり、このメルマガで何度も書いてきたが、アベノミクスには最後の決め手がないのだ。  したがって、企業経営者の予測は世界経済の動向を見ながら、概括的なものにならざるをえない。はっきり書くと、日本経済の行方は世界頼みなのだ。アベノミクスといっても、日本が自力で経済成長を達成し、景気をよくすることなど不可能と言っていい。   ■為替は1ドル100円~115円、株価は1万4000円~1万円8000円  では、専門家と言われる経済学者や経済アナリスト、エコノミストたちは、どう見ているのか?年末年始の予測記事をまとめてみると、次のようになる。
… … …(記事全文7,162文字)
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