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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

2014年は日本の岐路に! 重税国家は必ず衰退する(前編)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」    No.069 2013/12/24  2014年は日本の岐路に! 重税国家は必ず衰退する(前編)     ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013122409000018882     EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-19544.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  あわただしい年の瀬です。毎年、年の瀬になると考えるのが「来年はどんな年になるのか?」ということ。そこで、今回から2回にわたり、これを考察します。なんといっても、来年は消費税が上がることが、日本経済にとっては最大の懸念材料です。上がるのは消費税ばかりではありません。各種控除の廃止、年金保険料の増額、電気代などの公共保険料の値上げなども控えています。さらに、所得税や相続税も2015年1月から引き上げられ、2015年10月には消費税は10%になります。  日本は確実に「重税国家」になろうとしているのです。 [目次]────────────────────────────────── ■片方の手で景気を刺激し、片方の手で景気を冷やす ■消費税増税より重要な「マイナンバー法案」の成立 ■私たちの資産・所得情報は国家によって丸裸に ■小説『1984年』で描かれた世界(監視社会)が実現する ■消費税は10%だけではすまない。その後も上がる ■消費税を増税する「3つの理由」とはなにか? ■直接税を上げたら低所得者の生活は行き詰まる ■消費税には庶民を苦しめる「逆進性」がある ■日本は欧州諸国より負担率が高い「大きな政府」 ■世界一の赤字。日本は明らかに「財政危機」にある ■東京オリンピックのとき消費税率はどうなっているか? ■いったい誰が増税を決めているのか? ■日本の憲法にはない「納税者の権利」 ■歳出削減をせずに国民負担だけだと消費税は30%に! ────────────────────────────────────── ■片方の手で景気を刺激し、片方の手で景気を冷やす  先日、アメリカのFRBはついに「来年からQE (量的緩和)を縮小していく」ことを決めた。ただし、その規模は小さく、ゼロ金利政策もしばらくは維持されることになった。  だから、市場に大きな変化は起きていない。ともかく、ゆっくりと景気が回復していくのを彼らは望んでおり、実際、そのようになっていくと思われる。    しかし、日本はどうだろうか? まだまだアベノミクスの効果は出ていない。円安と株価だけは金融・財政政策によって政府が望んだ方向になったものの、実体経済は上向いていない。したがって、来年も「異次元金融緩和」を続けていかねばならない。まだまだ、カンフル剤を打ち続けるしかないのだ。  ということは、ドルの総量が減って、円の総量は増え続けていくので、当然だが「円安」は進む。つまり、輸入価格が上がり、それが日常の物価に反映されるなかで、消費税が上がるということになる。  これは、私たちの生活にとっては大きな負担だ。だから、ほぼすべてのエコノミストが、2014年4月以降の景気の失速を警告している。  そこで、ここでは、そもそもなぜ消費税を上げなければならなかったのか?また、そのほかの税金も上げなければならなかったのか?を大きく考察してみたい。  なぜなら、増税は、景気を回復させるための金融•財政政策と大きく矛盾するからだ。増税は景気がいいときに取るべき政策であり、不況のときに取るべき政策ではない。不況のときは、減税がいちばん効果があるのは、歴史的に証明されている。  つまり、アベノミクスは片方の手で景気を刺激し、片方の手で景気を冷やそうとしているのだ。 ■消費税増税より重要な「マイナンバー法案」の成立  今回の増税を見据え、私たちの未来を考えるうえでもっとも重要なのは、じつは消費税の増税ではない。もっとも重要なのは、2013年度中に成立した「マイナンバー法」と「特定秘密保護法」だ。この2つ法案は、今後、私たちの生活に増税と併せて決定的に影響する。  なぜなら、この制度によって、政府は税金が取り放題になるうえ、私たちのほぼすべての情報が国家を運営する官僚機構に握られてしまうからだ。さらに、国民には都合のいいことしか知らされないうえ、プライバシーも丸裸にされてしまう。  2013年10月、安倍晋三首相が、消費税の増税を決断した後、各報道機関は「増税をどう思うか?」というアンケート調査を実行した。それによると、半数以上の国民が首相による増税の判断を支持していた。   たとえば、朝日新聞のアンケート調査によると、首相判断に関して、「評価する」は51%で、「評価しない」の38%を上回った。また、消費税の8%への引き上げが社会保障の安定に「役立つと思う」は39%となっていた。  つまり、増税は社会保障費が増大し、国家財政が破綻状態にある以上「やもうえない」と、多くの国民が思っているということになる。  この結果は驚くべきことで、日本国民は自分たちの将来がどうなるか、まったく気づいていないとしか言いようがない。官僚機構とマスコミによる「洗脳」は、大きな効果があったわけである。  よく「上に政策があれば下に対策がある」と言う。  結局、増税が決まったことでなにが起こったかといえば、新聞•雑誌に「増税の解説」や「節税対策」などの記事があふれたとこと、書店には「節税対策」を解説した本が山のように積まれるようになったことだ。
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