━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.000 2013/12/17 来年4月に「世界が変わる大転換が起こる」は、本当か? ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013121709000018672 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-19335.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 年の瀬が迫っているので、今回は一足早く、来年の世界経済の動きを展望してみます。このメルマガのテーマは「未来地図」なので、これはやらなければならない仕事です。ただ、今回はあまり自信がありません。 できるなら、このまま大きな変化はなしにしてほしいと、心の中で思っているからです。しかし、どうやらそうはいかないような話も出ています。 (なお今回の記事は、相当長いので、途中飛ばしてもらってかまいません) [目次]────────────────────────────────── ■新興国は減速し、アメリカは回復か? ■ネットで行われた「いつ崩壊するか?」の予想投票 ■アベノミクスはアメリカの承認を得た政策 ■アメリカ国債を買い増しし続けている日本 ■ロイター通信恒例の「来年度の株式見通し」 ■続けて「2012年の株式見通し」を検証してみる ■「2013年の株式見通し」では弱気が目立った ■主要国の金融•財政政策と実体経済を見るのは大事 ■ターニングポイントは来年の3月、4月 ■「異次元緩和」は2015年末まで続くのか? ■世界はアメリカ経済復活の恩恵を受けられない ■製造業が復活しても雇用は増えない ■日本の2014年GDP成長率予測は1.5% ────────────────────────────────────── ■新興国は減速し、アメリカは回復か? すでに、新興国経済は以前に比べてスローダウンしている。中国のパワーが落ち、それ以上にブラジル、インド、インドネシアが落ち込んでいる。欧州はどうかいうと、依然として厳しい。しかし、そんななかでアメリカ経済だけが回復している。 ---これが、現在の世界経済のおおまかな見方である。 実際、12月初めにブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想では、アメリカ経済の来年の成長率は2.6%、2015年は3%の見込みとなっていて、アメリカ経済の回復はホンモノという見方が強まっている。 となると、来年の世界経済の大きなテーマは、アメリカ経済がはたして本当に回復するのかどうか? もし本当にそうなるなら、それにともない、欧州、日本、そして中国と新興国経済がどうなっていくのかだ。こうした状況を踏まえ、これから年末にかけて、メディアと専門家の「来期予想」が出そろうはずである。 しかし、「来期予想」というのは、なぜかほとんどが当たらない。これまでも、まさかと思うくらい当たっていない。 私もこうした予想に参加したことがあるが、やはり当たらなかった。なんといっても今年は、「東京オリンピック招致失敗でアベノミクスは崩壊する」とやってしまい、大恥をかいた。だから、大きなことは言えないのだが、その辺は目をつむっていただいて、この記事を読んでほしい。 ただ予想に入る前に、自戒の意味も込めて、昨年暮れのことを振り返えらせてもらいたい。 ■ネットで行われた「いつ崩壊するか?」の予想投票 2012年12月、いまからちょうど1年前、ネット上のある個人投資家のサイトで「安倍バブルはいつ崩壊するか?」という投票が行われた。 そのときの投票フォームは、次のようになっていた。この投票の締め切りは12月31日だった。 ・1月22日の日銀政策決定会合後 ・3月 ・5月(GW頃) ・9月(参議院選挙後) ・11月 ・安倍バブルは崩壊しない では、結果はどうだったろう?… … …(記事全文16,151文字)