━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.067 2013/12/10 中国との戦争を煽るな! 日本はすでに空母を4隻持っている! ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013121009000018671 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-19334.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この数年、日ごとに中国との関係が悪化しています。いったい、なぜこんなことになったのでしょうか? いまや日本人のほとんどが、中国を敵国、許せない国と思っているようです。とくに、先日、中国が設定した防空識別圏をめぐっては、「これはもう戦争を仕掛けられたのと同じ。日本は覚悟を決めるしかない」などと、断固たる対応(やられたらやり返す)を煽る意見もあります。 そこで、今回は、意外に知られていない日本の軍事力について、関係者の話をもとに紹介してみることにします。 [目次]────────────────────────────────── ■自衛隊員にいちばん必要なのは英語 ■「伏せろ!」を知らないと死ぬことも! ■自衛隊3軍が大規模に行った「尖閣奪回」演習 ■日米共同でつくられた「尖閣奪還シナリオ」 ■ありえない、中国への「倍返し」 ■「へリコプター搭載型護衛艦」は事実上の空母 ■世界で運用中の空母は全部で21隻 ■へリコプター搭載型護衛艦が「空母」と同じなのか? ■いずれ垂直離着陸機(STOVL機)を搭載する ■なぜ、海上自衛隊は空母を持てたのか? ■あの「オスプレイ」はDDHに搭載可能 ■唯一の不安は自衛隊をおバカ政府が指揮していること ────────────────────────────────────── ■自衛隊員にいちばん必要なのは英語 まず、最初に書いておきたいが、中国の軍事力はまったく脅威ではない。もちろん、核となれば話は別だが、通常兵器レベルの戦争を想定したら、日本は中国よりはるかに勝っている。海軍力、空軍力は、問題なく中国より上だと、私の知人の自衛隊関係者は断言する。 もう10年以上前のことだが、私は、自衛隊の幹部クラスの人間の勉強会に何度か出たことがある。それは、ある軍事評論家を中心とした集まりで、「これからの自衛隊員にいちばん必要なのは英語」ということで、軍事英語の勉強会でもあった。 なぜ、自衛隊員に英語が必要なのか? それは、日本がアメリカの同盟国だからだ。 この勉強会では、自衛隊の幹部は、次のような意識を持っていた。 「自衛隊がアメリカの同盟国軍として機能するためには、現場での緊密なコミュニケーションが必要です。つまり、各隊員が英語を話せないと、米兵と同じ作戦行動を取る場合にうまくいかないのです。だから、簡単な単語でもいから、軍事に関する英語は、自衛隊員の必須課題なのです」 ■「伏せろ!」を知らないと死ぬことも! たとえば、英語で「右向け右」「回れ右!」「伏せろ!」「動くな!」をなんと言うかがわからないと、自衛隊はアメリカ軍と同一行動ができない。 もし実戦なら、「伏せろ!」と命令されて、それがわからないと弾が飛んできて死んでしまうかもしれない。 当時、日本の左翼は「自衛隊は米軍の手先。集団自衛権を許すな!日本を戦争できる国にしていいのか」などと言っていたが、英語ができないと、自衛隊は米軍の手先にもなれないのだ。 ちなみに、前記した言葉は、英語では次のように言う。 「右向け右」(Right Face!) 「回れ右!」(About Face!) 「伏せろ!」(Duck!) 「動くな!」(Don’t Move!) ということで、この勉強会で、私は何人かの自衛隊の幹部や隊員と知り合い、自衛隊の軍隊としての実力を知ることになった。彼らはみな真面目で、日本の国防について高い意識を持っていた。 この勉強会には、たまに政治家も顔を出したが、その一人だった中川昭一氏は急死して、すでにこの世にいない。 ■自衛隊3軍が大規模に行った「尖閣奪回」演習… … …(記事全文9,434文字)