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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

日本人全員が「個人投資家」になる時代を考える(2)日本株への投資は資産防衛になるのか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」    No.065 2013/11/26    日本人全員が「個人投資家」になる時代を考える(2)    日本株への投資は資産防衛になるのか?     ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013112609000018355     EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-19019.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前回は、人気の「NISA」口座の落とし穴について述べました。そこで説明したように、今後、私たちの資産は預貯金(貯蓄)だけでは守れません。インフレと重税の時代には、私たちは必然的に「貯蓄から投資」へと行動を変えざるをえないのです。  では、投資の王道とされる日本株への投資は、はたして資産防衛になるのでしょうか? 今回は、日本の株式市場のこれまでを振り返り、投資家の行動について考えてみます。 [目次]────────────────────────────────── ■預貯金(貯蓄)が無意味になる時代の到来 ■インフレと重税で私たちの生活はダブルパンチ ■日本に個人投資家はどれほどいるのか? ■個人投資家の7割超が損出を出している ■個人投資家が望むことは第一に「資産防衛」 ■儲けているデイトレーダーたちはなにをしているのか? ■デイトレは午前中だけで勝負がつく ■そもそも株は企業同士が持ち合っていた ■生保、証券、銀行はいまも株を売っている ■日本の株式市場は外国人がリードする市場に! ■ヘッジファンドを中心に外国人が大幅に買い越し ■個人投資家はヘッジファンドには勝てない ■「貯蓄から投資へ」はすべて自己責任で ────────────────────────────────────── ■預貯金(貯蓄)が無意味になる時代の到来    前回のメルマガで述べたように、「NISA」口座は使い勝手が悪い。非課税枠があるといっても、使い方次第では、個人投資家にとってメリットよりデメリットのほうが大きくなる場合があるからだ。  なにより、金融商品は生き物であるから、損をするリスクがある。このリスクをいかに回避していくか?  それが、今後の私たち日本人の大きなテーマになる。  いずれにせよ、キャピタルゲイン課税で収益の20.315%を取られようと、それが非課税になろうと、今後、日本人は「貯蓄から投資」を実行していかなくてはならない。これから訪れる重税時代、なにもしないで手をこまねいていては、私たちの資産は減る一方になるからだ。  なぜなら、アベノミクスがうまくいき、本当にインフレ時代がやってくれば、預貯金はどんどん目減りする。いまのところ、銀行に定期預金をしても、つく利息は1年間でせいぜい0.5%である。普通預金にいたっては、わずか0.02%前後である。  ということは、インフレにより、1年間で物価がそれ以上に値上がりしてしまえば、預貯金は貯蓄の意味をなさなくなる。 ■インフレと重税で私たちの生活はダブルパンチ  デフレの時代なら、預貯金は大きな意味を持った。物価は下がり続けるのだから、金利が低くても預貯金だけで資産はヘッジできた。なにも危ないリスクを取って投資しなくとも、銀行にお金を預けているだけで、生活は防衛できた。もちろん、現金をそのまま持っていても(タンス預金)、将来に備えることができた。  しかし、本当にインフレ時代がやって来ればそうはいかなくなる。アベノミクスで景気が回復し、日本経済が復活し、給料が上がるなら別だが、このストリーが幻だったら、どうなるだろうか?  給料が上がらないままインフレになる。そのインフレがコストプッシュ・インフレという悪性インフレだったら、私たちの暮らしは悪化するだけだ。しかも、これに重税が追いうちをかける。2014年からは、消費税ばかりかほぼすべての税金が値上がりすることになっている。  つまり、こういう時代は、税金を正しく収めようとする正直者は、否が応でも個人投資家にならざるをえないのだ。「NISA」口座を使うかどうかは別として、私たちはなんらかの投資口座を持たなければならないところに、追い込まれたのである。   ■日本に個人投資家はどれほどいるのか?  それでは、そもそも個人投資家とはなんだろうか?  現在の日本で、なんらかの金融商品を購入している個人投資家は、どれほどいるのだろうか? じつは、これに関しての正確な統計はない。どれくらいの人たちが、どのような金融商品を買っているのかは、推測でしかわからない(とはいえ、税務当局はほぼわかっているだろう)。  
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