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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

世界を動かすマネーの正体(2)ヘッジファンドと日本市場の今後

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」    No.058 2013/10/15  世界を動かすマネーの正体(2)ヘッジファンドと日本市場の今後     ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013101509000017820     EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-18484.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前回お伝えしたように、現在の世界の金融を動かしているのはリスクマネーです。その中心的存在ヘッジファンドがどう動くかで、世界経済は大きく影響されるのです。しかし残念なことに、日本ではヘッジファンドに対しての認識が甘く、政治家からエコノミスト、マスメディアまで、彼らの動向を正確に捉えようとしていません。  そこで、前回に引き続き、この問題を考えます。  今回のメールは、これまででいちばん長いメールです。1冊の本でいうと30〜40ページほどあります。ですが、今後のために、ぜひ最後まで読んでください。 [目次]────────────────────────────────── ■世界経済は水面下で危機が進行中 ■金融機関のバラスシートは大幅に改善 ■FRB次期議長のイエレン女史は「やらない」 ■量的金融緩和は引き延ばし、先送り策 ■緩和を止めればリーマンショック時に戻る ■問題はバブルのサイクルが短くなったこと ■量的緩和縮小延期でヘッジファンドが荒稼ぎ ■投資銀行がヘッジファンドに資金を提供 ■バブルのツケはバブルで返すアメリカ方式 ■格差をつくり出したのは政府自身 ■ヘッジファンドが動かす株式市場 ■5月の株式市場の暴落はなぜ起きたのか? ■日本株に投資しているヘッジファンドの正体 ■ヘッジファンドマネージャーは命がけ ■ヘッドファンドマネージャーのポジショントーク ■今後は日銀とヘッジファンドの戦いが続く ■ヘッジファンドに頼み込んだ日本政府 ■グラム・リーチ・ブライリー法で金融自由化 ■ヘッジファンドの活動を制限するボルカー・ルール ■なぜボルカー・ルールは遅れているのか? ■個人投資家は今後どうしたらいいのか? ────────────────────────────────────── ■世界経済は水面下で危機が進行中  アメリカ政府がデフォルトするという「デットシーリング」(債務上限)のタイムリミット、10月17日が近づいてきた。ただ、予想通り回避されるのは確実で、世界はほっと一息ついた状況である。  しかし、本質的な問題はなにも解決されていない。債務の上限が引き上げられただけで、いずれまたデットシーリングはやって来るからだ。    それにしてもなぜ、アメリカ政府はここまで借金漬けになったのだろうか? アメリカばかりか、現在、世界中の政府が、借金しなければやっていけない状況になっている。いったいなぜ、こんな状況になってしまったのだろうか? そして、この状況から見て、この先、世界経済はどうなるのだろうか?  今回は、それを考えてみたい。  前回お伝えしたように、この状況をつくり出したのは、世界中で行なわれている量的金融緩和である。アメリカのQE3、欧州(EC)の欧州安定化プログラム、そして日本のアベノミクスと、みなカネを刷って市場にバラまいているから、借金は膨れ上がるばかりなのだ。  実際にデフォルトして緊縮財政に入ったギリシャですら、借金は減っていない。とくに日本の場合は、すさまじい勢いで政府の債務が増えている。  だから、世界経済は安定しているように見えても、じつは水面下では危機が進んでいる。私たちは、このことをけっして忘れてはいけないと思う。  ■金融機関のバラスシートは大幅に改善  FRBの量的金融緩和は、リーマンショックで傷ついた金融機関を助けるために行なわれた。アメリカ国民の税金(公的資金)でウォール街を助けたのだ。  このため、FRBは一文の価値もなくなったMBS(住宅ローン担保証券)まで買った。QE3は、いまも毎月8兆5000億ドル(1ドル100円換算で85兆円)ものドルを市場に供給しているのだ。
… … …(記事全文15,952文字)
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