━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.055 2013/09/24 東京五輪までの「黄金の7年」バブル始まる!ただ一般国民に恩恵なし ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013092411220317527 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-18214.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1990年のバブル崩壊以来23年。この間、「失われた20年」と言われてきましたが、それがとうとう終わりを告げそうです。2020年東京五輪が決まって「黄金の7年が始まった」という報道もありますが、浮かれ過ぎです。なぜなら、今回のバブルは前回のバブルとは違うからです [目次]────────────────────────────────── ■報道されなかった豪華披露宴の顔ぶれ ■FRBの量的緩和縮小が見送られたワケ ■サマーズ氏はなぜ次期FRB議長を辞退したのか? ■日本が世界金融バブルの最終ランナーになった ■アメリカの口車に乗ったアベノミクス ■世界のめぼしい大都市が買われている ■ロンドンの不動産価格はいまや世界一 ■アメリカでも大都市の不動産価格は上昇 ■アジア各都市ではバブルを抑制し始めた ■住宅地、商業地の地価は、5年ぶりに上昇 ■東京はオーチャード、セントラルより安い ■都心部の優良物件のみ上がる東京バブル ■実体経済の成長を伴わないので格差が拡大 ■アベノミクスには出口戦略がない ■高橋是清の失敗と90年代米経済復活の教訓 ────────────────────────────────────── ■報道されなかった豪華披露宴の顔ぶれ 9月16日、都内の名門ホテルで行なわれた豪華披露宴は、まさに、今後のバブルの到来を象徴するものだった。なぜなら、披露宴の招待客に、アベノミクスを推進する政財界の大物がずらりと顔をそろえたからである。 新郎新婦は、経産省のキャリア官僚・鈴木隼人氏(36)とセガサミーグループ総帥、里見治氏の娘・有紀恵さん(32)。「まるで政略結婚」と外野の声があがるなか、主賓は安倍総理が務め、来賓として小泉、森の元総理のほか、みんなの党党首の渡辺喜美元金融担当相、古屋国家公安委員長、菅官房長官、茂木経産大臣など、まるで国会が開けるのではないかと思うほど大物議員がこぞって出席した。 セガサミーといえば、宮崎に大型リゾートのシーガイアを所有するパチンコ機器の大手メーカー。安倍総理はカジノ誘致推進派である。 「2020年の東京五輪が決まり、国は観光客を増やすためにカジノの開設に前向き。しかもパチンコ業界の認可を下すのは新郎が勤める経産省。これはあまりにロコツだ」と、政治記者は言った。 しかし、この披露宴を大手メディアは一切報道せず、報道したのは、一部週刊誌だけだった。それによると、安倍総理のスピーチの後に続いた小泉元総理が「安倍総理、自信がついてくると スピーチもうまくなるなあ」と述べると、会場中が笑いの渦に包まれたという。 ■FRBの量的緩和縮小が見送られたワケ すでに、このメルマガ読者ならご存知だと思うが、この披露宴の2日後、アメリカのFRBは、予想されていた量的緩和縮小の見送りを発表した。FRBのベン•バーナンキ議長は、今年の5月頃から、年末までに緩和縮小を始める、そして2014年半ばには債券買い入れプログラムの終了を視野に入れていると発言してきた。だから、市場は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に緩和縮小が発表されるものとし、それに伴って投資資金の新興国からの引き上げも始まっていた。 それなのに、緩和縮小見送り。まさに肩すかしと言っていいが、じつは、見送りのほうが投資家にとっては好都合なのである。というのは、リーマンショック後の金融危機以来続いてきたバブルの崩壊が先送りされたからだ。 リーマンショック後の金融危機に対し、FRBはドルを刷ることで乗り切ろうとした。つまり、お金のバラマキであり、そうすればバブルが発生するので、その前のバブル崩壊はうやむやになるからだ。 無能なベン・バーナンキFRB議長は、前任者のグリーンスパン氏同様に、この手口を使って、ウオール街の彼の仲間たちを救った。そうしてQE1、QE2、QE3と、3連続で量的金融緩和を続けてきたのだ。 しかし、これは病気に対する対処療法だから、やがて止めなければならない。その出口戦略が緩和の縮小だが、今回それを見送ったのは、彼が怖じ気づいたからだろう。 ■サマーズ氏はなぜ次期FRB議長を辞退したのか? 緩和縮小を言い出してからというもの、アメリカのフェデラルボンド(国債)10年物債利回りは、1%超も上昇した。これに、彼は泡を食ったのである。この状態で緩和縮小すると、まだ回復途上にある米経済はまた失速するのは確実だからだ。リーマンショック以前にまで回復した不動産も、ニューヨーク株価も暴落する。… … …(記事全文9,151文字)