━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.053 2013/09/10 五輪決定を契機に東京は“鎖国都市”から“国際都市”になるべき ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013091009000017311 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-17981.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まだ興奮冷めやらぬ「東京五輪」の決定。私は、可能性が薄いとみていたので、予想を外しました。しかし、日本人だから,この決定には嬉しくてたまりません。 しかし、これですべてがうまく行くわけではありません。はたして、経済成長できるかどうかも疑問です。2020年までの7年間、課題が山積みなわけです。ただし、これを契機に東京が本当の国際都市になれば、多くの課題は解決するのではないでしょうか? [目次]────────────────────────────────── ■「決め手は安倍首相のスピーチ」という米記者 ■「予想を違えた際の謝罪はなしか?」メール ■最近のこの国は「ちょっとヤバい」と思う ■「考えることは疑うことから始まる」 ■ツキ男・安倍首相が放った「第4の矢」 ■いちばん大きいのは「希望」が戻ったこと ■東京が生まれ変わるためのインフラ整備 ■「経済特区」構想を早く実現してほしい ■オリンピックをやれば儲かるは本当か? ■五輪特需はたしかに来るが、それは国内だけのこと ■オリンピック後は必ず反動不況が来る ■“鎖国都市”から本当の“国際都市”になるには? ■東アジアは世界で最も遅れた「人間鎖国」地帯 ────────────────────────────────────── ■「決め手は安倍首相のスピーチ」という米記者 「トーキョー」というロゲ会長のそっけない言い方を、私は一生忘れないだろう。2020年五輪が東京に決まった瞬間だ。この瞬間から、早くもお祭り騒ぎになり、いまだに日本中が興奮している。 それでやはり、今回はオリンピックの話を書くことにする。なんといってもこれで、私たち日本の未来が、少なくとも7年先は見通せるようになったからだ。 ただ、先に言っておきたいのは、今回のメルマガは、自身のサイト、およびヤフーニュース個人のコラムにも、同様のことを書いている。その内容の詳細だということ。徹底的に詳しく書いている。 さて、東京に決まって、本当によかった。これでやっと寝むれると、私はベッドに潜り込んだ。9月8日の午前6時頃のことだ。それから熟睡して、夕方起きてPCを開けると、何本もメールが入っていた。 その1本は、友人の政治経済評論家・徳川家広くんからのもの。 「山田さんの東京落選という見方に同意見だったので、この結果に茫然です。安倍首相はラッキーマンになったのでしょうか」という内容だった。 また別の1本は、欧州に夏期休暇に行っていた知人のビジネスマンからのもの。 「パリからのJALでいま帰ってきたところ。機内のアナウンスで知って思わずバンザイと叫んだ」というので、その興奮が伝わってきた。 特筆は、米メディアの記者からのもので、「決め手は安倍総理のスピーチだろう。日本の首相であそこまで自信に満ちて堂々と英語で話した首相はこれまで見たことがない」と書かれていた。 ■「予想を違えた際の謝罪はなしか?」メール ところが、こういう匿名メールもあった。 「偉そうにほざいておきながら、予想を違えた際の謝罪はなしか?」 「予想を外しましたね。あなたの記事は公共にとって無益な記載と思われ、方向を転換して欲しい」 当然、気分を害した。 じつは私は、今年の初めは「東京はありえない。イスタンブールで決まり」だと思っていた。それで、自著『2015年磯野家の崩壊 アベノミクスの先にある地獄』(徳間書店刊)の中でも、「東京の可能性は薄い。だから、東京が敗れたときに、アベノミクスは危機に陥るだろう」という主旨のことを書いた。 このメルマガでも同様のことを書いたのを、記憶されている方も多いと思う。… … …(記事全文8,171文字)