━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順の「週刊:未来地図」 No.032 2013/04/16 ぜひ参考にしてほしい!中国の猛毒「空気」「水」「油」「食品」体験記。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ PM2.5による大気汚染、黄砂。そして、豚の死体の鳥インフル。さらに、猛毒食品。もはや、中国は人間が住めるところではなくなっているようです。 そこで、今回は、私が体験した中国の汚染のひどさと、そのなかでどうサバイバルしていくかを考えてみました。 [目次]─────────────────────────────────── ■酸素吸入器が必要な北京は地球とは言えない ■北京タワーから見下ろす北京の街は霞んでいた ■北京の空気は「緊急事態 人口減少が起きる空気」 ■ペットボトルの水も信用できない。半分はニセモノ ■炊けたご飯は黄みががり、水餃子も黄ばむ ■水郷の町、水の都の川や運河はぜんぶ濁っている ■ニセモノと汚染モノだらけ、上海蟹は食べてはいけない ■中国では「地産地消」をしたら体をこわす ■ヘドロの海の近海魚を選んで料理してくれる店 ■リサイクル油と日常茶飯事化している油の使い回し ■中国ほど暮らすための安全コストがかかる国はない ───────────────────────────────────――― ■酸素吸入器が必要な北京は地球とは言えない 今年になってからの中国ニュースは、「この国はもはや人が住めないのではないか」と思わせるものばかりだ。まず、史上最悪の大気汚染「PM2.5」、続いて毎年恒例の「黄砂」、そして、豚の死骸の大量投棄事件に、鳥インフルエンザ「H7N9型」で死者発生。 こんなことが続けば、汚染地域からどんどん人が逃げ出す。すでに、富裕層から逃げ出しており、最近は一般層までがなんとか逃げ出そうとしているという。北京では、すでに多くの外資系企業の駐在員が帰国しており、経済活動に大きな支障が出ている。 そこで、ここ数年間、私が中国で経験した環境汚染被害を書きとめておくことにした。もし、中国に行かれる機会があったら、これから書くことに十分、注意してほしい。 まず、大気汚染だが、数年前でも、冬の北京はマスクなしには歩けなかった。マスクを着けないで外出すると、必ず喉をやられる。さらに、目が充血して痛むことがあるので、娘や家内はサングラスをして外出していた。 「PM2.5」に関しては最近知ったが、当時もPM2.5がらみの大気汚染だったのは間違いない。汚染がひどいときは、晴れていても空は暗く、街の視界も100メートル先となると、よく見えない。だから、バス停でバスが来ても、近くになるまでどこ行きかわからず、わかったときは人が殺到して乗り遅れてしまうので、以来、懲りてバスには乗らなかった。 最近、北京から帰国した知人(大手企業北京駐在員)はこう言う。 「今年は汚染がひどすぎて、外出は会社との往復以外は、ほとんどしませんでした。PM2.5は粒子が細かいため、室内にも入ってくるというので、空気清浄機は必需品になっています。ただ、安い中国製は信用できません。中国人ですら買いません。それで、日本のパナソニック、シャープ、デンソーが売れています。私は、もう一台買おうと中閑村(北京の秋葉原)に行きましたが、全部品切れでした。 いまや北京は、酸素吸入器も売っているんですから、もう地球とは言えませんよ(笑い)」 ■北京タワーから見下ろす北京の街は霞んでいた ところで、東京に東京タワーがあるように、北京にも北京タワーがある。北京タワーとは俗称で、日中友好の桜が植えてある「玉淵澤公園」のそばにある「中央電視塔」のことだが、高さは405mで東京タワーより高い。 4年前、北京に取材に行ったとき、当時の私の部下(編集者)が「ぜってい、行きたい!」と言い出した。彼は高いところに登るのが大好きという変わった若者だった。 北京タワーは、一般の北京の観光ツアーでは行かない。しかし、そのときは取材を終えて時間があいたので、行くことにした。しかし、行ってみると、「上には回転する展望ホールがあり、素晴らしい眺めですよ」というのは、まったくのウソだった。見下ろした北京の街は霞んでいて、ぼんやりと見えるだけ。遠くなんてまったく霞んでいてなにも見えないのだ。 すぐそばにある中南海ですら、霞んでいた。 「これで50元(750円)はぼったくりだ」と、部下はボヤいた。 しかし、そばにいた中国人は涼しい顔で、「中南海がよく見えたら、指導部は困るよ。だから、いつも霞んでんだよ」と切り返してきた。 ちなみに、中南海は中国の国家中枢、指導部の居住地である。 北京のインターナショナルスクールで聞いた話だが、ジョークに思えない、こんな話もある。 「中国人の子供が描いた絵は、すぐにわかるんですね。空が灰色で太陽はオレンジ色ですから。空が青くて太陽が赤いというのは、北京ではほとんどありえませんからね。子供はホント正直ですよ」 ■北京の空気は「緊急事態 人口減少が起きる空気」… … …(記事全文8,529文字)