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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

「原発」「TPP」…という争点は無意味。今度の選挙で日本を変える方法

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         山田順の「週刊:未来地図」   No.012 2012/11/27 「原発」「TPP」…という争点は無意味。今度の選挙で日本を変える方法 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今回の選挙で「3大争点」と言われているのが、「原発」「TPP」「消費税」。それに次ぐのが「金融・経済政策」「外交」。ただ、14党も政党ができて、どの党がどんな政策なのかわからないため、「どこに投票していいのかわからない」という声が強いようです。  しかし、私はまったくそう思っていません。日本を変える唯一の方法があります。 [目次] ────────────────────────────────── ■ほぼ「脱原発」で一致、「すぐ」か「いずれ」の違い ■最悪は「当面稼働で、将来的には廃絶」という考え ■TPP(TPPの交渉)に参加するのか、しないのか? ■「交渉に参加して、その後国益を考えて判断する」が最悪 ■積極的にTPPの拡大に寄与したほうが利口 ■いまさら「消費税反対」を叫んでも意味などない ■金融政策・経済政策のとんでもない勘違い ■どの政党の政策をもってしても日本復活は無理 ■自立した外交政策、国防軍の設置 ■選挙結果は見えている。混乱に拍車がかかるだけ ■日本を変えるただ一つの投票方法はこれ! ──────────────────────────────────────  まずは、今回の選挙で、メディアが伝える「争点」を整理して論じていきたい。そうして、最後に、私がここ10年、実行している投票方法を書く。 ■ほぼ「脱原発」で一致、「すぐ」か「いずれ」の違い  驚くべきことに、はっきり「原発推進」という政党はない。かろうじて自民党だけが、「2030年代の原発ゼロを目指す野田政権の方針について無責任」(安倍総裁)と批判しているので、原発維持と言っていい。  私は、「冗談ではない。現在、計画中の9基などではとても足りない。もっとつくれ」と思っているので、この問題からはどの政党にも投票できない。  では、整理してみよう。 民主党:「2030年稼働ゼロ」(「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するとした革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、遂行する」野田総理の国会所信表明) 自民党:「続原発」「10年間立ち止まって考える」(安倍総裁) 共産党:「即時ゼロ」 社民党:「即時ゼロ」 公明党:「脱原発」  反TPP・反増税・反原発党:「原発はやめないといかん」(亀井静香代表) みんなの党:「もちろん脱原発」(渡辺喜美代表) 維新の会:「脱原発へのルールづくりが大切」(橋下徹代表代行) 生活:「原発ゼロ、反消費税、反TPPを目指す」(小沢一郎代表)  というわけで、日本ではこの先、電力は原発に頼らず、ほとんどを化石燃料に頼るしかなくなった。新エネルギーはどれも開発途上でコストがかかりすぎるので、まだ、化石燃料のほうがマシだからだ。となると、今後、石油や天然ガスの市場価格の動向によって、電気料金はどんどん上がっていくだろう。  さらに、ここに、国内50もの原発の廃炉コスト(約30兆円)が加わるのだから、日本人の生活はどんどん貧しくなるだけだ。 ■最悪は「当面稼働で、将来的には廃絶」という考え  確かに「脱原発、即刻ゼロ」は安全を考えれば理想だ。しかし、当面の負担が大きすぎることに対しての代替案がない。とすると、単に「やめろ!」と言っているようにしか聞こえない。しかも、東日本大震災による福島原発事故を体験したので、怖がっているだけのようにも思える。  これまで、原子力をコントロールすることは、人類の悲願だった。それを、今回の事故であっさり捨てるのはどうかしていないだろうか。もっと、安全で効率のいいものをつくろうとなぜ考えないのか。単に廃絶では、今回の事故の教訓は活かされない。  最悪なのは、「安全を考えると減らすべき。しかし、急激な廃絶は経済的にも現実的ではない。そこで、将来的にはゼロにするとしても、当面は稼働させる」という考えだ。このような中途半端なやり方のほうが、ずっとコストに見合わないし、なにも生まれない。  いずれにしても、どの政党が政権をとっても新しい原発はつくられない。となりの中国は今後50基もつくるというのに、「脱原発」は馬鹿げている。
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