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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第1938回 特別号 コレグジット(訂正版)
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ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2019082603055557783 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか     2019/08/25        第1938回 特別号 コレグジット(訂正版) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★コレグジットがクレグジットになっていました、訂正いたします。★ それ以外には変更はございません。 韓国の西側(自由陣営)からの離脱 KOREA+EXIT コレグジットといいます。 ★戦略的放置という日本の戦略★ 韓国の相次ぐ嫌がらせ攻撃や徴用工問題などを受けて、これまでとは違う日本政府は 「戦略的放置」という戦略に切り替えた。批判すべきところは批判するが、直接的に韓 国に対して、対応するのはやめたわけだ。特に首脳外交においてはこれが顕著であり、 韓国側は文在寅大統領が前面に立つが、日本側は所轄の大臣どまりの対応をしているわ けだ。そして、総理どころか副総理すらも、前面に出ない戦略をとっているのである。  例えば、輸出管理問題では、輸出管理を所管する世耕経済産業大臣、徴用工等外交問 題では河野外務大臣が対応し、それぞれを個別の問題として扱っているわけである。基 本的に大臣は省庁の責任者であり、省庁の管轄権をまたぐ決定は、総理以外できないわ けである。そのうえで総理は「約束を守れ」総括的な発言こそはするものの、各省庁の 決定には口出ししない方針を堅持している。また、徴用工問題などで日本企業に実害が 出た場合の対応に関しては、財務大臣が一般論として「外為法による送金停止もでき る」とカードを見せたに過ぎない。  そのうえで、GSOMIA終了を、日本の戦略的放置の結果だとしたわけだ。 ■GSOMIA終了の背景に日本の不誠実な態度 韓国大統領府が説明 聯合ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190823-00000063-yonh-kr 「日本の対応は単純な拒否を超え、『国家的自尊心』を喪失させるほど無視した」とし た上で「外交的な礼を欠いた」と指摘   日本は何もしていないのに、勝手に自壊していっているのである。これまで、日本は 韓国の不当な要求に対して、「日本側の妥協」という間違った選択肢をとってきた。そ して、韓国はこれを成功体験として考えてきたわけだ。「強く出れば、日本は折れるだ ろう」今回、これが完全に否定されたことで、威嚇のつもりで振り上げたこぶしを下ろ す先を失ってしまったわけだ。そして、国民を煽ったがゆえにそのまま振り下ろせば自 らに跳ね返る形になっているわけである。  GSOMIA破棄に関して、米国からも強い圧力がかかっている。韓国政府はGSOMIA破棄に 関して、米国の合意を得ていると発表したが、これを米国の国務省と国防総省は、それ ぞれ強い失望を示し、そのうえで、米国は文在寅政権の米国との合意での破棄は嘘だと して、文在寅政権に訂正を求めたわけである。 ■米「文在寅政権、GSOMIAうそ」 朝鮮日報 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190824-00080005-chosun-kr 米国務省と国防総省は22日(現地時間)、青瓦台の韓日軍事情報包括保護協定( GSOMIA)破棄決定に対して一斉に「文在寅(ムン・ジェイン)政権(Moon administration)に強い懸念と失望を表明する」との見解を明らかにした。米国が公式 論評で「ROK(韓国)」と呼ばずに「文在寅政権」と呼ぶのは非常に異例なことだ。  実は、この決定を前に、米国政府は韓国政府抜きで全経連(韓国の経団連)と財閥関 係者を集めて、非公開の会合を持ち、全経連と財閥首脳に対して、GSOMIAの継続を政府 に働きかけるように述べるとともに、企業の生産拠点の米国移転などを求めていた模様 である。 ■駐韓米国大使、韓国財界人に「GSOMIA延長に役割を」中央日報 https://japanese.joins.com/article/745/256745.html  現在の米国政府の一番の懸念は、韓国を通じ、半導体やバイオなど先端技術が中国に 渡ることであり、韓国政府との信頼関係が崩壊しつつある今、米国としては企業側への 圧力を強める形でこれを防ぎたい意向があるものと思われる。まずは、パテント保有会 社を作らせ、各企業のパテント部分だけでも米国に移転させ、米国の輸出管理の網に留 めておく必要がある。 ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら   ⇒ https://foomii.com/mypage/ ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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