… … …(記事全文2,923文字)<イスラエルとイランの停戦を織り込む>
NYMEX原油先物相場は、週末の6月22日に米軍がイラン核施設に対する攻撃に踏み切ったことを受けて、週明け23日の取引で1バレル=78.40ドルまで急伸した。23日にはイランがカタールにある米空軍基地に対する攻撃に踏み切ったものの、被害が限定されたとの報告を受け、同日安値は66.60ドルとなった。1日の値幅が11.80ドルに達する、異常な高ボラティリティ環境になっている。
一方、23日引け後にはトランプ米大統領が突然にイスラエルがとイランが停戦に合意したと自身のSNSに投稿したことで、原油相場はさらに64.38ドルまで大きく値下がりする展開になった。これは、イスラエルがイランに対する「先制攻撃」に踏み切る前の相場水準に回帰したことを意味する。トランプ大統領は「12日戦争(The 12 Day War)」と名付けているが、マーケットは停戦合意の実現を織り込む動きを活発化させている。