… … …(記事全文3,915文字)<週末に米軍がイラン攻撃に踏み切る>
米軍は6月22日、イランにある3ヵ所の核施設を攻撃したと発表した。20日には、トランプ大統領がイスラエルのイラン攻撃に参加するのか2週間以内に判断すると発言していたことで、マーケットでは少なくとも暫くは米軍の軍事介入はないとの安心感が広がっていたが、その直後に米軍単独でイスラエルに対する攻撃に踏み切ったことにはサプライズ感が強かった。週末をあってマーケットはこのイベントを消化する時間を確保できたが、それでも週明けのNYMEX原油先物相場は1バレル=78.40と、先週末の73.84ドルから最大で4.56ドル高(6.2%高)の急伸となり、ショックの大きさが窺える状況にある。安全資産の金先物相場は20日終値1オンス=3,385.70ドルに対して、3,413.80ドルまで28.10ドル高(0.8%高)となっている。
トランプ大統領はイランとの核合意に意欲を示しており、これまでもイスラエルの軍事作戦への意欲の高さにブレーキを掛けていた。13日にイスラエルがイランに対する攻撃に踏み切った際にも、批判はしなかった依然として外交的な解決に期待を寄せる発言を行っていた。それがなぜ突然に単独でのイラン攻撃を決めたのかは不明だが、イランが核兵器製造に必要なウラン濃縮に成功しつつあり、最短で数週間から数ヵ月以内に核兵器を製造できる可能性が米情報当局などから伝えられた影響が複数のメディアで報じられている。実際にトランプ大統領は「核の脅威を取り除く」と発言しており、今回の攻撃対象も核関連施設に限定されている。