… … …(記事全文3,307文字)<軍事作戦でイラン核計画の断念は困難>
イスラエルが6月13日にイランに対する攻撃に踏み切ってから、3日が経過した。イスラエルがイランの核兵器開発能力に警戒感を高めていることは間違いないが、今回の攻撃でどのような着地点を目指しているのかは依然として見えてこない。強大な火力でイラン核関連施設を破壊するのが当面の目標としても、イランの主要なウラン濃縮施設はこうした事態に備えて地下深くに設置されており、仮に米軍の協力を得られたとしても、イラン核計画の打倒は困難とみられている。イスラエルは、イラン最高指導者ハネメイ師の殺害など体制転換を目指す可能性もあるが、それがイラン核計画の中止につながるのかは不透明感が強い。
昨年は4月と10月にイスラエルとイランの交戦が発生したが、その際には両国が散発的にミサイルやドローン攻撃を繰り返し、いつの間にか軍事作戦は終了するという曖昧な状態で幕引きが実現していた。しかし今回は昨年とは明らかに異なるレベルの攻撃の応酬が行われており、どのように交戦状態を終結させるのかが見えてこない。