… … …(記事全文3,033文字)<逆サヤ拡大の安値修正>
NYMEX原油先物相場は、トランプ米大統領の発表した相互関税のショックで4月9日に1バレル=55.12ドルまで急落したが、足元では60ドル台前半で下げ一服となっている。世界経済の減速懸念を背景に2021年2月以来の安値を更新したが、70ドル水準から大きく値位置を切り下げたことで、短期的な過熱感が警戒され始めたことが窺える。
NYMEX原油先物の当限と2番限のサヤは、相互関税が発表された4月2日時点では0.48ドルの逆サヤ(期近高・期先安)だったが、25日時点では0.69ドルの逆サヤとなっている。通常、価格水準が大きく切り下がる局面では逆サヤが縮小する傾向にあるが、今回は「原油価格の値下がり」と「逆サヤの拡大」という一種の逆行現象が確認されている。一気に60ドル台を割り込んだものの、同水準からの下落余地については大きくないのではないかとの見方が広がったことが窺える。