… … …(記事全文2,668文字)<通商問題出は崩れなかったプラチナ相場>
NYMEXプラチナ先物相場は、1オンス=900ドル台での取引になっている。トランプ米大統領が4月2日に相互関税を発表すると、マーケット全体がリスクオフ化する中で、プラチナ相場も一時878.30ドルまで急落した。2024年3月以来の安値を更新しているが、その後は800ドル台に定着することはなく、900ドル台中盤まで切り返している。結果的に最近のボックス相場が踏襲されている。株価や原油相場が大きく値を崩す中で相対的な底固さを示した格好だが、一方で過去最高値を更新する金相場に連れ高することはできず、上下双方に決定打を欠いている。
トランプ大統領の関税政策は、当然にプラチナ需要見通しに対してネガティブな影響を及ぼすことになる。国際通貨基金(IMF)は4月22日、2025年の世界経済成長率見通しを1月時点の予測から0.5%引き下げて2.8%としている。「大半の国が過去80年にわたって身を置いてきた世界経済システムがリセットされつつあり、世界は新たな時代を迎えようとしている」と指摘されているが、「関税の急上昇とそれに付随する不確実性が持続する場合、世界経済の成長を大幅に減速させることになる」と、成長見通し引き下げの理由が報告されている。
【NYMEXプラチナ相場vsCOMEX金先物相場(※白線がCOMEX金先物相場)】