… … …(記事全文2,977文字)<供給過剰で上値の重い展開が続く>
NYMEX原油先物相場は1バレル=65~68ドル水準までコアレンジを切り下げる展開になっている。1月は米欧の対ロシア制裁強化の動き、北半球の寒波による需給引き締まりなどを背景に80ドル水準まで値上がりしていたが、2月下旬には70ドルの節目を割り込み、3月5日安値は65.22ドルに達している。その後は短期的な売られ過ぎ感もあって下げ一服となっているが、安値修正を進めるような動きは鈍く、70ドル割れ定着が打診されつつある。
国際エネルギー機関(IEA)は3月13日に発表した「Oil Market Report」において、2025年は日量60万バレル以上の供給過剰になる見通しを示した。世界石油需要の伸びは昨年の日量83万バレルから100万バレルまで上振れするも、従来と比較すると極めて低い水準に留まる見通しにある。一方、石油輸出国機構(OPEC)プラス以外の供給量は150万バレル増加する見通しであり、需要の伸びはOPECプラスの増産なくしても十分にカバーできる見通しにある。
【NYMEX原油先物相場(日足)】