… … …(記事全文3,017文字)<金相場が過去最高値更新、銀も緩やかな上昇地合に>
トランプ米大統領の関税政策が世界経済に大きな不確実性をもたらす中、安全資産である金は1月30日~2月3日まで3営業日連続で過去最高値を更新している。トランプ大統領の関税策は、どこまでが「本気」でどこまでが「脅し」なのかが分かりづらいが、いずれにしても関税を武器に各国にディール(交渉)を迫る姿勢は、マーケット環境に大きな不確実性をもたらしている。
【COMEX銀先物相場(日足)】
直近でも、2月1日にトランプ大統領は、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の関税を課す大統領令に署名した。しかし、関税発動が予定されている4日を前にカナダとメキシコと首脳会談を行い、関税発動を30日先送りすることが合意された。不法移民や違法薬物が米国に流入している国家異常事態への対処を見極めて、改めて関税発動の是非を検討することになる。しかし、中国に対しては予定通りに関税が発動されている。トランプ大統領は中国と協議を行うことにも意欲を示しているが、トランプ大統領がどのような決断を下すのか外部からは予想が難しく、実体経済と金融市場の双方に強いストレスが持たされている。