□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年9月24日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPECプラスの供給能力に疑問の声、厳冬だと想定以上の需給ひっ迫も =================================== <突然に浮上してきた供給不安の議論> NYMEX原油先物相場は、9月15日の1バレル=73.14ドルで上げ一服となった後、21日の69.39ドルまで調整売り優勢の展開になったが、足元では再び73ドル台まで切り返しており、8月2日以来の高値を更新している。メキシコ湾で発生したハリケーンによる供給障害の織り込み一服、更に中国で不動産大手・中国恒大集団の経営不安が浮上したことに伴うリスクオフ環境が、原油相場に対して上げ一服感をもたらしていた。しかし、その後は改めて需給ひっ迫見通しを織り込む動きが強まり、戻り高値を更新している。7月6日の年初来高値76.98ドルに徐々に迫る展開になっている。 ここにきて急浮上している相場テーマが、石油輸出国機構(OPEC)プラスが原油需要拡大への対応に苦戦しているとの見方である。9月21日にReutersは、「ナイジェリア、アンゴラ、カザフスタンなどOPECプラスの複数の国が、ここ数か月は産油量引き上げに苦戦している」と報じている。「過去数年にわたる投資抑制」と「パンデミックによるメンテナンス作業の遅れ」の二つ要因を指摘している。… … …(記事全文3,419文字)