□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年9月6日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ネガティブ・サプライズとなった8月米雇用統計を受けての金相場 =================================== <8月雇用統計と金相場> 9月3日に発表された8月米雇用統計は金相場に対して強弱双方の評価が可能な内容になったが、同日のCOMEX金先物相場は1オンス当たりで前日比22.20ドル高の1,833.70ドルと急伸した。昨年7月以降は1,830~1,840ドル水準が上値抵抗線になっているが、同水準に差し掛かる展開になっている。雇用統計全体として、新型コロナウイルスの感染拡大のショックを反映した数値と評価され、改めて安全資産に対する退避ニーズが膨らんだためだ。 8月雇用統計だが、非農業部門就業者数は前月比23.5万人増となり、前月の105.3万人増、市場予測の72.8万人増を大きく下回った。雇用者数の拡大トレンドそのものは維持されているが、7月に続いて8月も強めの数値が出され、金融政策正常化の議論が加速するとみていた向きにとっては、失望的な内容になった。業種別でみると、小売が7月の0.8万人減から2.85万人減と、マイナス幅を拡大している。また、レジャー・娯楽は7月の41.5万人増から横這いに転じている。卸売、一時サービス、ヘルスケアなどの落ち込みも大きいが、全体としては新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、関連業種が雇用を抑制、もしくは削減したことが窺える数値になっている。… … …(記事全文3,730文字)