□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年9月3日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 中国経済指標の悪化がゴム相場を下支え? 実体経済と市場の思惑 =================================== <中国経済の減速傾向が一段と強まると> JPX天然ゴムRSS先物相場は、8月19日の1㎏=230.20円をピークに31日の201.90円まで急落したが、足元では210円台前半まで切り返す展開になっている。中国経済の減速リスクを織り込む形で年初来安値を更新しているが、200円の節目を割り込むことはできなかった。中国経済の減速圧力がゴム相場に対してネガティブ材料であると同時に、ポジティブ材料としても評価される余地が浮上している結果である。 中国経済の減速傾向は明らかである。8月製造業PMIは、国家統計局発表で前月の50.4から50.1まで、財新発表で同50.3から49.2まで低下している。活動の拡大・縮小の分岐点である50を割り込みつつあり、これは中国経済が「減速」から「縮小」へとフェーズを切り替え始めていることを示すものになる。財新発表だと50を明確に割り込んでいるが、これは昨年4月以来のことであり、新型コロナウイルスの第一波を消化した後では、最悪の景況感になっている。… … …(記事全文3,178文字)