□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月25日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== クロップツアー終了後の穀物相場、乱高下も現在の値位置に居心地の良さ =================================== <乱高下するもトレンド形成に至らない穀物相場> CBOTトウモロコシ先物相場は、1Bu=550セント水準での保ち合いを経て8月12日の594.25セントまで値上がりしたが、23日の529.50セントまで急反落した後、足元では540セント台まで切り返す不安定な値動きになっている。大豆先物相場も、17日の1,379.75セントまで値上がりした後、20日の1,277.25セントまで急反落したが、足元では1,320セント台中盤まで切り返している。数日単位で急伸、急落の荒れた相場展開が繰り返されているが、結果的にはトウモロコシは500セント台、大豆は1,300セント台の居心地が良い模様であり、明確なトレンドを形成できない状況が既に2カ月以上にわたって続いている。天候相場の最終局面に差し掛かっているが、強気と弱気の双方が決定打を欠いていることが窺える。 8月12日に発表された米農務省(USDA)需給報告は、今季の米国産の作柄環境が必ずしも良好ではないことを示した。7月まではトレンドイールドが採用されていたが、トウモロコシは179.5Bu/エーカーから174.6Bu、大豆は50.8Buから50.0Buまで、それぞれイールド見通しが引き下げられている。問題は、それでもトウモロコシは過去3番目、大豆は4番目の高イールドであり、これを不作と評価できるかというと、疑問の声も上がり易い。豊作の可能性はほぼ否定されたが、深刻な不作でもないとの曖昧さが窺える。… … …(記事全文4,247文字)