□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月11日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 不安定化する天然ゴム相場、ブリジストンは良好なタイヤ需要環境を報告するも =================================== <期先じり高も、当限は上昇しない意味> JPX天然ゴムRSS先物相場は、7月15日の1㎏=205.30円をボトムに、足元では220円台前半まで切り返す展開になっている。6月末から7月上旬には強力な売り圧力が観測されていたが、7月下旬以降は安値修正の動きに下値をサポートされている。もっとも、何か大きな買い材料が浮上している訳ではなく、専ら持高調整が中心の展開とみるべきだろう。大きく下押しされていた相場が安値修正の形で切り返しているに過ぎず、買われているというよりも、安値が修正されているとの評価になる。 上海ゴム先物相場も9月限は1トン=1万3,000元台中盤で横這いから小幅高の展開になっており、新たに中心限月になった2022年1月限も1万4,000元台後半での小動きに終始している。8月のコモディティ市場では、新型コロナウイルスの感染被害が中国にも広がりつつあることが注目を集めており、原油や非鉄金属相場に対しては売り圧力の強さが目立った。また、中国の7月貿易統計で輸出が前年同月比19.3%増(前月は32.2%増)、輸入が28.1%増(同36.7%増)と、輸出入の勢いがともに鈍化傾向を見せていることも、コモディティ市場の上値圧迫要因になっている。ただ、ゴム相場は中国経済のリスクに対して目立った反応を見せておらず、コモディティ市場全体の中で特殊な価格形成を続けている状況にある。… … …(記事全文3,470文字)