□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月10日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金相場にクラッシュ発生、7月雇用統計で金融政策正常化への警戒再燃 =================================== <7月雇用統計でテーパリング議論加速> COMEX金先物相場は、8月9日のアジア時間に1オンス=1,677.90ドルまで急落し、中心限月ベースでは3月31日以来の安値を更新した。6月29日安値1,750.10ドルも大きく下回り、金相場に対する逆風の強さが再確認される状況になっている。9日の1,700ドル割れの急落地合に関しては、東京市場が休場で市場参加者が乏しいアジア時間の朝方に瞬間的に実現したものであり、1,700ドル割れでの取引は1時間程度にとどまった。ただ、同日の終値は1,731.60ドルであり、概ね1週間で1,800ドル台前半から100ドル幅の値下がりが実現した格好になっている。 直接的なきっかけは、8月6日に発表された7月米雇用統計である。雇用環境の正常化圧力の強さが再確認されたことで、テーパリング(資産購入縮小、停止)に対する信頼感が強くなっていることが、金相場を下押ししている。米金利上昇、ドル高圧力が発生した影響も大きいが、よりマクロに金融政策の正常化圧力を織り込む動きとみるのが妥当だろう。… … …(記事全文4,141文字)