□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月4日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 年初来安値圏で低迷するプラチナ、自動車メーカーも読めないサプライチェーンの混乱 =================================== <年初来安値圏に抑制されるプラチナ相場> NYMEXプラチナ先物相場は、年初来安値圏で低迷している。5月上旬は1オンス=1,300ドル台乗せを窺う展開になっていたが、6月中旬以降は1,100ドル割れの取引時間が増えている。2月16日の1,348.20ドルが年間高値であり、そこからは300ドル幅の値下がりになっている。2月の1,300ドル台、その後も1,200ドル水準で取引されていた当時と大きく異なるのは、自動車生産環境の悪化だ。昨年のパンデミックからの経済復興で自動車販売が伸びることに加えて、環境規制の強化で排ガス触媒用プラチナ重要も大きく伸びるとのシナリオが崩れている。 国際通貨基金(IMF)によると、今年の世界経済は6.0%の急激な成長率が見込まれている。本来であれば資源需要全体がサポートされ易く、実際にCRB商品指数は年初から27.2%の高騰になっている。しかし、プラチナ相場は年初の1,081.00ドルを下回る場面が目立ち、明らかにコモディティ市場全体の中で異質な値動きになっている。… … …(記事全文3,512文字)