□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年8月3日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 春小麦の不作リスクで小麦相場が急伸、それでもコーンと大豆が上がらない意味 =================================== <春小麦の作柄悪化リスク織り込みが続く> シカゴ穀物市場では、小麦相場が騰勢を強めている。CBOT小麦先物相場は、7月9日の1Bu=609.50セントをピークに8月2日高値は731.75セントに達しており、5月13日以来となる約2カ月半ぶりの高値を更新している。4月27日に付けた今年最高値769.50セントを更新するには至っていないが、明らかに騰勢が強くなっている。 背景にあるのは、春小麦の不作リスクが急激に高まっていることだ。米国産小麦は現在(8月1日時点)、冬小麦の収穫進捗率が前週比7%上昇の91%(前年同期84%、平年86%)となる一方、春小麦の収穫進捗率が同14%上昇の17%(前年同期4%、平年8%)となっている。冬小麦に続いて春小麦も収穫作業が始まっており、例年であれば積極的に天候リスクを織り込んでいくような時間ではない。… … …(記事全文3,819文字)