□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年7月30日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== Q3の金需給は公的部門と現物投資に底固さも、宝飾とETF投資に脆弱性残る =================================== <Q2の金需要は2四半期連続で増加> ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、4~6月期の金需要(OTC投資を除く)は978.0トンとなり、2四半期連続で増加した。昨年10~12月期の768.5トンをボトムに、今年1~3月が907.2トンに続いて上振れしている。前年同期の912.3トンも上回っている。金需要環境の改善傾向が確認できるが、5四半期連続で1,000トン台を割り込んでおり、未だパンデミックのショックから抜け出せたとは言い難い。 項目別だと、前年同期比で宝飾が217.3トン増の413.6トン、テクノロジーズが11.9トン増の80.0トン、バー・コイン投資が87.1トン増の243.8トン、上場投資信託(ETF)関連投資が386.8トン減の40.7トン、公的部門が136.14トン増の199.9トンとなり、全体では65.7トン増の978.0トンになっている。ETF関連投資が3四半期ぶりにプラス(=買い越し)に転じたが、需要項目で唯一の前年同期比マイナスになっている。加工需要(宝飾+テクノロジーズ)の増加幅が大きかったが、これは前年同期の需要が大幅に落ち込んでいた反動の意味合いが強く、絶対的な水準としては抑制されている。明確な力強さを見ているのが公的部門であり、これは2019年4~6月期以来の高水準を記録している。… … …(記事全文4,028文字)