□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年7月15日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米穀倉地帯にも夏が来る? ホット・アンド・ドライの脅威が浮上中 =================================== <ホット・アンド・ドライの脅威が再び> シカゴ穀物相場は、天候相場のクライマックスとも言える受粉期を迎えている。米農務省(USDA)によると7月4日時点の生産ステージは、トウモロコシでシルキングが前週比16%上昇の26%(前年同期26%、平年30%)、ドウが3%(前年同期3%、平年3%)、大豆で開花が前週比17%上昇の46%(前年同期46%、平年40%)、着サヤが同7%上昇の10%(前年同期10%、平年10%)となっている。米国では夏のピークに受粉期を迎えるが、ここで受粉をどのような形で消化するのかは、イールドの決定に対して極めて大きな影響力を有している。 今季の気象環境に関しては、6月上旬にホット・アンド・ドライ(hot and dry、高温乾燥)傾向が強まったが、6月下旬以降は雨がちな天候が続いており、7月入りした後も主要穀倉地帯では降雨が観測され続けている。このため、土壌水分環境の改善で作柄悪化リスクが後退したことが、シカゴ穀物相場の上値を圧迫していた。過去1か月にわたって降雨をもたらす前線が米穀倉地帯を横断した状態が続き、天候リスクを織り込む必要性は抑制されていた。しかし、今週に入ってからカナダで発達した高気圧が南下し、それと連動して前線の位置が切り下がっているため、降雨が観測される地域が限定され始めている。… … …(記事全文4,398文字)