□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年4月19日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金相場はダブルボトム形成後の反発局面も、金利低下の持続力に依存 =================================== <債券市場の持ち高調整一巡後が見えてこない> COMEX金先物相場は1オンス=1,680ドル水準でダブルボトムを形成し、1,780ドル台まで切り返す展開になっている。2月25日以来の高値を更新しており、1,800ドルの節目回復が打診される局面になっている。今年は年初からほぼ一貫して米長期金利の上昇圧力に上値を圧迫される展開が続いていたが、4月に入ってからはその金利上昇圧力が一服し、逆に低下圧力が目立つ状況になっていることが、金相場を支援している。4月に入ってから金相場のトレンドは転換しているが、一貫して米長期金利との逆相関関係が最重要視された地合に変化はみられない。 米長期金利は年初の0.93%に対して3月30日には1.776%まで上昇した。米経済が正常化を通り越して過熱化に向かう兆候さえ見られる中、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策判断が早期に修正されるとのビューを債券市場が採用した結果である。インフレ指標が大きく上向いたこともあり、FRBの緩和継続スタンスに異議を投げ掛けた格好と言える。金は無金利・無配当の資産とあって、金利上昇局面では金投資の機会コストが高まるため、金からドルに対する資金シフトがイメージされ易くなる。… … …(記事全文3,916文字)