□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年10月29日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== パラジウム急伸でも上がらないプラチナ相場、急伸シナリオとしての南ア電力問題 =================================== <パラジウム相場は高騰すれども> プラチナ相場は、瞬間的な乱高下を繰り返す不安定な値動きが続いている。NYMEXプラチナ先物相場は、9月5日の1オンス=1,000.80ドルでピークアウトし、10月2日の875.60ドルまで急反落した。しかし、その後は約1カ月にわたって880~910ドル水準をコアとしたボックス相場を形成した後、10月25日の943.90ドルまで急反発し、その後も900ドル台前半の値位置を保った状態にある。何が急伸、急落のトリガー(引き金)になっているのか、分かりづらい相場環境が維持されている。 一方、NYMEXパラジウム先物相場は8月上旬の1,400ドル水準に対して、足元では1,770ドル台まで値上がりしており、連日のように過去最高値が更新されている。世界経済の減速感は根強いものの、中国やインドを筆頭とした各国の環境規制強化の影響もあってパラジウムの触媒需要は底固く推移しており、需要を満たす供給量を確保できるのか不透明感が維持されている。… … …(記事全文3,975文字)