□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年10月23日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== カカオ豆価格の上昇を受け入れる時、児童労働も貧困も企業は無視できない時代 =================================== <需給緩和で低迷するカカオ豆価格> チョコレートやココアの主原料となるカカオ豆は、2018/19年度に484.9万トンの生産高が見込まれているが、その内の76.3%に当たる370.1万トンがアフリカで生産されている。特にコートジボワールは222.0万トン、ガーナは83.0万トンであり、この二カ国だけで生産の総生産量の62.9%をカバーする完全な寡占市場にある。 カカオは中央アメリカから南アメリカの熱帯地域が原産地になるが、19世紀半ばに中南米で病害が発生するとアフリカの生産が主流になり、フランスがコートジボワール、イギリスがガーナで生産を本格化させ、西アフリカの植民地の奴隷を使った安価な労働力を使って産業として成長を遂げた。今なお児童労働が使われており、実質的な奴隷ではないかとの批判の声も強い。… … …(記事全文3,982文字)