□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年10月21日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 実質的なQE開始と3会合連続の利下げ期待、金価格は値固めを打診 =================================== <世界経済減速で、中国の政策転換に要注意> 国際通貨基金(IMF)は10月15日に公表した最新の「世界経済見通し(WEO)」において、2019年の世界経済成長率予想を7月時点の3.2%から3.0%まで引き下げた。これで5回連続の下方修正であり、世界同時金融危機の直撃を受けた09年以来となる10年ぶりの低成長が見込まれている。まだマイナス成長が警戒される状況にはないが、10年の5.4%成長をピークに11~18年にかけては3.4~3.8%の成長率を維持していたが、いよいよ3%割れも目前に迫っている。 2020年に関しては7月時点の3.5%から3.4%までの下方修正であり、基調としては成長率が改善する方向性が予想されている。ただ、先進国の成長率は19年と20年がともに1.7%に留まる見通しである一方、新興国・途上国は19年の3.9%が20年には4.6%まで大きく上向く見通しだが、これはトルコ、アルゼンチン、イランなどの急激な景気悪化の反動が想定されているに過ぎない。これ以外の国々では特に目立った成長は想定されておらず、IMFも「成長回復は裾野が狭く、心もとない」と注意を喚起している。… … …(記事全文4,340文字)