□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年09月25日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== サウジ石油施設攻撃から10日が経過、原油価格は鎮静化のトレンド上に =================================== <マーケットは月内の完全復旧説を採用> 9月14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃を受けてから1週間以上が経過したが、その間の原油相場は更にリスクプレミアムを加算するのではなく、リスクプレミアムを剥落させる方向への展開を見せている。NYMEX原油先物相場は、13日の1バレル=54.85ドルから週明け16日の取引で一時63.38ドルまで、最大で15.6%の急伸地合になった。しかし、これが現時点での最高値であり、24日の取引では一時56.69ドルまで軟化し、サウジが攻撃を受けた後の最安値が更新されている。 底流にあるのは、サウジの原油供給環境が正常化するとの楽観的な見通しだ。サウジ・エネルギー省の発表では、一時は日量570万バレルの原油供給が喪失され、サウジ産原油といえども安定した供給源ではないことが確認された。これはサウジ産油量の約58%、世界全体の約5%とあって、仮に長期にわたって供給障害が発生すると、原油高のショックに留まらず、原油を調達できなくなる最悪の事態さえも警戒する必要が浮上する所だった。… … …(記事全文4,836文字)