□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年09月19日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金市場の強気派はFOMCに失望、強気の実体経済と不確実性の狭間で気迷いムード =================================== <追加利下げ決定も、当局者の意見割れる> 9月17~18日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、金相場の評価はネガティブだった。COMEX金先物相場は9月18日終値が1オンス=1,515.80ドルだったのに対して、アジアタイムには一時1,496.30ドルまで値下がりし、最大で19.50ドルの下げ幅が記録されている。その後は下げ幅を圧縮しているが、それでも1,500ドル水準までの戻りに留まっており、FOMCをきっかけに改めて上昇トレンドを形成することには失敗しており、最近の調整地合が追認された格好になっている。 今回のFOMCでは、7月に続いてフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標が0.25%引き下げられ、1.75~2.00%とされた。年前半の段階では2.25~2.50%の金利環境が続いていたが、一気に金利水準を引き下げている。7月の会合の時点では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、あくまでも不確実性への対応であって利下げサイクル入りではないことを強調していたが、実際には2会合連続の利下げになっている。 声明文では、今回の利下げによって「経済活動の持続的な拡大、力強い労働市場の状況、委員会の対称的な目標である2%に近いインフレ率という結果がもたらされる可能性が高いとの委員会の見方を支える」としたが、一方で「この見通しに対する不透明感は残る」として、追加利下げ対応を迫られる可能性についても言及している。… … …(記事全文4,551文字)