□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年09月18日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== サウジの原油供給は月内完全復旧、東京電力とは異なった情報コントロール =================================== <東京電力とサウジの対応の比較> 台風15号による千葉県の停電を巡り、東京電力が批判されている。当初の停電解消見通しを繰り返し修正して停電状態が解消できないことに対して、地域住民の不満が高まっているためだ。過去に経験したことのない台風被害とあって必ずしも東京電力の対応が批判すべきものとは言えないが、電力復旧を急ぐあまりに楽観的な見通しを示したことは間違いなさそうだ。停電は許されない電力マンの性質とも言われているが、これとは対照的な動きを見せたのがサウジアラビアだった。 9月14日にサウジアラビア東部のアブカイクなどがフーシ派の攻撃を受けて、同国の原油供給体制が壊滅的な被害を受ける中、当初の報告は極めて悲観的なものばかりだった。恐らく最初の報道は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のエネルギー省筋の発言だったが、完全復旧までは「数週間」とのワードにマーケットは驚いた。さすがに数週間にわたって供給が全く改善しないような事態は想定されていないが、世界の原油供給の約5%が喪失される事態にあって、「時間(hours)」や「日(days)」ではなく「週(weeks)」の単語を見た瞬間、マーケットは大変な事態だとの警戒感を強めた。… … …(記事全文4,297文字)