□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月26日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== バーナンキ・ショック前の価格を回復した金、金融政策の限界に対する疲労感 =================================== <金融政策の限界を吐露> 8月23日はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が行われ、本来であれば今週のマーケットではパウエル議長の講演内容をどのように消化するのかが問われるとみられていた。しかし、この同じタイミングで米中両国が貿易摩擦のステージを一気に切り上げる動きを見せる中、パウエル議長の講演は一気に主役から脇役に回り、マーケットは米中対立の消化を最優先で求められる状況になっている。 パウエル議長はワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済フォーラムにおいて、「貿易摩擦に対処する政策の前例はない」として、金融政策での対応に限界があるとの認識を示した。トランプ米大統領がTwitterで発する対中政策で景気見通しが一変してしまう中、「貿易政策の不確実性を金融政策に取り込むのは新たな挑戦だ」として難しい政策運営を迫られていることを嘆いている。… … …(記事全文4,103文字)