□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年08月24日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== WGCが考える金価格反発のロジック、ドル高が続いても反発する? =================================== <ファンダメンタルズが金売りを許容せず?> 今年のCOMEX金先物相場は、4月11日の1オンス=1,369.40ドルをピークに8月には1,200ドルの節目も割り込む急落地合になり、2017年1月以来となる約20カ月ぶりの安値を更新している。ネガティブな報告内容ばかり目立つ状況にあり、Bloombergは8月20日付けで「Gold Investors ‘Give Up Hope’(金の投資家は‘遂に望みを捨てた’)」と報じるなど、弱気ムード一色になっている。こうした中、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が金価格の反発を予想するレポートを発表しているので紹介したい。 まずは金相場の現状であるが、8月上旬の金相場がテクニカルで重要な1,200ドルの節目を割り込んだことについて、対発展途上国・新興国通貨でドルが強含んだ影響を指摘している。特に名前が上げられているのは中国人民元とトルコリラの二つであり、これらの通貨に対してドル高が進んだ影響が主な要因として指摘されている。今年の金価格のパフォーマンスを決定する上ではドルが最も重要な役割りの一つを果たしているとして、米国の引き起こしている貿易摩擦が新興国通貨安・ドル高を促していることが、金相場1,200ドル割れの原動力の一つとされている。また、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行(BOJ)の利上げ着手が遅れる中、米国の金利環境との違いが大きくなっていることも、ドルが上昇し、金が軟化する要因として指摘されている。… … …(記事全文3,733文字)