□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年08月23日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ブラジル大統領選の世論調査で、コーヒーと砂糖が売られる =================================== <コーヒー相場が急落している> コーヒー価格が急落している。ICEアラビカコーヒー先物相場は、年初から5月にかけては1ポンド=120セント水準の値位置を維持していたが、6月以降に急落地合を形成し、7月の110セント水準での保ち合いを経て、8月22日にはついに100セントの節目も割り込む展開になっている。これは、中心限月ベースだと2006年8月以来の安値であり、実に12年前の価格水準に回帰していることを意味する。 当然にコーヒー需給環境にも相場の値下りを促す材料がある訳だが、今年のコーヒー相場の急落地合に関しては、通貨要因の影響が極めて大きいと考えている。具体的には、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルの通貨レアル相場の急落である。米農務省(USDA)による2018/19年度のコーヒー生産高予想によると、ブラジル産は焙煎用のアラビカ種で世界シェア43.8%の4,450万袋(1袋=60kg)、インスタント用のロブスタ種で同22.6%の1,570万袋、全コーヒーで同35.2%の6,020万袋となっているが、このブラジル産のコスト環境が通貨要因で激変しているのだ。… … …(記事全文3,978文字)