□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年07月07日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。北朝鮮情勢、FOMC議事録などを中心に、金相場を取り巻く環境を解説します。 =================================== 世界の金融政策の潮流が変わったのであれば、金価格は下落する =================================== <北朝鮮リスクを消化した金融市場> 北朝鮮情勢を巡る緊迫感が高まっているが、現段階では金相場に対する影響は限定されている。7月4日に北朝鮮はミサイル発射実験を行い、それが大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったとの「特別重大報道」を行っている。核兵器とICBMの組み合わせは、米本土に対する核攻撃のリスクを高める動きであり、安全資産に対する金価格に対しては間違いなくポジティブな動きである。 米本土が本格的な核攻撃の脅威に晒されるのは東西冷戦以来のことであり、実現可能性は低いものの核戦争による国際基軸通貨ドルの信認喪失といったシナリオも実現可能性を持つ状況になる中、「法定通貨たるドル」から「実物通貨である金」に資金シフトが発生し易いことは間違いない。かつて、東西冷戦時には核戦争に対する脅威が金に対する退避需要を創出した経験があるが、それとは規模がかなり異なるものの、米本土に対する核攻撃能力を獲得した可能性がある北朝鮮情勢の緊迫化は、金市場にとっても無視できないイベントである。… … …(記事全文4,513文字)